配偶者控除の見直し5案

 政府税制調査会は、女性の働き方に中立的な税制を構築することを目的に配偶者控除の見直しを行い、五つの案を提示しました。各案の概要をご紹介しますので比較してみて下さい。

 

 

改正案

主な特徴

配偶者控除の廃止

片働き世帯、パート世帯は負担増

配偶者控除に所得制限

高所得世帯は負担増。低・中所得者世帯は現行のまま

移転的基礎控除の導入

高所得世帯は負担増。配偶者の就労抑制効果が残る

移転的基礎控除の導入と

税額控除化

高所得世帯は負担増。他の所得控除の見直しなどが必要

夫婦控除の創設

配偶者控除ではなく夫婦世帯に控除。所得税の控除全体で見直しが必要

 

 配偶者控除は現在約1400万人が適用を受けていて、見直しによる影響を受ける世帯はかなりの数にのぼります。女性の就労促進からの観点だけでなく、育児に専念する配偶者の価値を評価すべきという改正慎重論もあります。また、社会保障など税以外の観点からの議論も必要とのことで、本件は平成28年度税制改正以降の検討課題となりそうです。