国外親族の扶養控除

 所得税の扶養控除は「納税者の親族等」でその納税者と「生計を一にするもの」のうち、「合計所得金額が38万円以下で年齢が16歳以上の者」を控除の対象に出来ることとなっています。

 この規定には、扶養されている人の居住地の要件はありませんので、国外に居住している親族も控除の対象となります。でも、扶養控除の適用に当たって納税者の親族等であることや生活費等を支払っていることなどを証明する必要はないので、この制度を悪用する人もいるようです。

 そこで、平成27年度税制改正では、非居住者である親族に係る扶養控除等の適用を受ける納税者に親族関係書類と送金関係書類の添付または提示を義務付けることとなりそうです。

 

【親族関係書類】

1.親族が日本人であることを想定して

戸籍の附表の写しその他国または地方公共団体が発行した書類で親族であることを証するものおよび親族のパスポートの写し

2.親族が外国人であることを想定して

外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類で親族であることを証するもの

【送金関係書類】

1.金融機関が行う為替取引により親族に向けた支払いが行われた事を明らかにする書類

2.クレジットカード発行会社が公布したカードを提示してその親族が商品等を購入したこと及びその商品等の購入代金に相当する額を居住者から受領したことを明らかにする書類

※それぞれの書類が外国語で作成されている場合は、訳文の添付も義務付けられる。適用開始は平成28年1月1日以後に行われる給与等および公的年金等、平成28年分確定申告から