教育資金の贈与の特例制度の導入に続いて、平成27年度税制改正において導入されたのが『結婚・子育て資金の贈与税の非課税制度』です。今回は、この制度の特例を適用できるケース、出来ないケースについてご紹介します。

 

１．制度の概要

20歳以上50歳未満の者の結婚・子育て資金の支払いに充てるために直系尊属（父母､祖父母・・・等）が子や孫名義の金融機関の口座等に資金を拠出した場合、その金額のうち「受け取る人１人につき１，０００万円（結婚に関する支出は３００万円）」まで贈与税を非課税とする制度です。

２．「結婚資金」の具体例別可否

① 婚礼

 ○ 受贈者の挙式、結婚披露宴のための会場費、衣装代、飲食代､引出物、写真代、演出代､装飾代、招待状費用

 × 両者顔合わせ費用、結納式費用、結婚指輪代、挙式等に出席するための交通費等、新婚旅行費用

② 家賃等（結婚を機に新たに物件を賃借する費用）

 ○ 受贈者が契約者の場合

 × 受贈者以外の者（配偶者や勤務先など）が契約者の場合

③ 引っ越しに係る費用

３．「子育て資金」の具体例別可否

① 不妊治療

 × 海外で治療を受けるための渡航費

② 妊婦健診

③ 出産

 × 海外で出産するための渡航費

④ 産後ケア

⑤ 子の医療費

⑥ 子の育児に係る費用

 × 教育資金の一括贈与非課税制度との重複適用