人は「感情」から老化する

 人の名前が思い出せなかったり、以前に見た映画の題名が思い出せなかったりすると『これが老化現象か…』とがっかりします。このように記憶力の衰えを老化の象徴と捉え、気にする人が多いけれど、実際には高齢になっても知能・知性はさほど衰えないのだそうです。
それよりも問題なのは、怒り出したらずっと怒りっぱなしといった、感情のコントロールや切り替えが出来なくなったり、自発性や意欲が減退する『感情の老 化』なのだそうです。なぜなら、脳の中で記憶を司る「海馬」よりも、人間的な感情を司る「前頭葉」から真っ先に縮み始めるという事実がわかっているからで す。

 高齢者、老年医学専門の精神科医である和田秀樹氏の著書”人は「感情」』から老化する~前頭葉の若さを保つ習慣術”(祥伝社発行)において、老化のメカニズム・行動パターンと老化の関連性・老化を防止するための前頭葉の鍛え方等を解説しています。

 老化を気にする方は医学的なメカニズムを知り、前頭葉を鍛え、いつまでも若々しさを保ってはいかがでしょう?先ずは現状把握から。今回は本著より「感情老化度テスト」をご紹介します。


「感情老化」度テスト

※当てはまるところに○を付ける YES どちらとも言えない NO
●最近は、自分から遊びに友達を誘ったことがない
●性欲、好奇心などがかなり衰退している
●失敗をすると、昔よりもうじうじと引きずる
●自分の考えと違う意見をなかなか受け入れられない
●年下にタメ口をきかれると瞬間的にムッとする
●「この年で始めたって遅い」とよく思う
●この年なので、お金を使って楽しむより老後に備えて、お金を貯めたいと思う
●あることが気になったら、しばらく気にし続ける
●最近、何かで感動して涙を流した記憶がない
●かっとなって部下や家族にどなることが多い
●起業など、若い人の話だと思う
●この半年、一本も映画を見ていない
●夫婦喧嘩をすると、怒りがなかなか収まらない
●新刊書やカルチャースクール、資格試験学校、旅行などの広告に興味がわかない
●友達の自慢話を聞いていると、昔よりじっと聞いていられない
●この一ヶ月、一冊も本を読んでいない
●最近の若い奴のことはわからない、としばしば思う
●今日あった出来事が気になって、落ち着かずに眠れないときが多々ある
●最近、涙もろくなった
●昔と比べて、斬新なアイディアが浮かばなくなった
●雑誌『レオン』やグルメ雑誌、ファッション誌なんて自分とは別世界のことと思う
●一つの気に入った案が思いつくと、なかなか別の考えが浮かばない
●昔よりイラっとくることが多くなった
●ここ数年、旅行は自分で計画せず、人の計画に丸乗りするだけだ
●昔と比べて、いろいろなことに腰が重くなった
○の数
※「○の数」にそれぞれ「3」、「2」、「1」をかける ×3 ×2 ×1
=(1) =(2) =(3)

 

※当てはまるところに○を付ける YES どちらとも言えない NO
●「ごますり」とわかっていても気持ちいい
●「あいつは○○だから」という、人の性格などを決め付けたような発言をよくする
●人にものを尋ねるのが億劫だ
●仕事で、こうしたほうがいいと思うことがあっても、面倒くさいので提案しない
●一度嫌い(好き)になった人物のことは、なかなかいい点(悪い点)を認められない
○の数
※「○の数」にそれぞれ「2」、「1」、「0」をかける ×2 ×1 ×0
=(4) =(5) =(0)

 

(1)+(2)+(3)+(4)+(5)=あなたの「感情年齢」