激動の2008年を乗り切れ!異才経営者11人が大予測

 「いざなぎ景気を越える景気拡大」の報道に、実感は伴わないものの”時間が経過すれば地方にもその恩恵が行き渡るのかも知れない”と漠然と考えていましたが、ここにきて風向きは変わってきたようです。  米国のサブプライムローン問題は日本の金融機関にも波及し、企業の資金調達への影響が噂されています。為替は米景気の減速懸念を受けて円高に動き、日本経済を牽引してきた輸出産業に影響を及ぼす恐れがあります。また原油価格高騰による原材料価格の上昇も深刻な状況です。

 そんな激動の2008年を経営者はどう読み、どう舵取りすべきと考えているのか。今回は『日経ベンチャー 2008年1月号』(日経BP社)から、異才経営者11人が予測するこの1年をご紹介します。


1.飯田 亮(セコム取締役、最高顧問)

*中国の発展で日本経済も明るい

大きな流れとしてアジアの発展がある。日本は地理的なメリットもあるが、大きいのは人種的な近さに所以し、考え方を理解できる点が挙げられる

2.青木定雄(近畿産業信用組合会長)

*本気で戦う経営者に金が集まる

 大手銀行が信用組合の得意先にも攻め込み、優良企業の争奪が始まっている。 さらにそれを外資系銀行が狙うという現象となっている。結果として融資先 の選別も厳しくなっていて努力を怠る企業には誰も貸さない。

3.森 雅彦(森精機製作所)

*淡々とやるべきことをする

為替や景気に一喜一憂せず淡々とやるべきことをする。景気が悪くなっても慌てたり、採用数を絞ったりしない。苦しいときこそ社員教育をしっかり。

4.寺田和正(サマンサタバサジャパンリミテッド社長)

*勝ち残るため、人材教育を続ける

日本企業の強みは集団力。個々の社員の力を磨いて集団力を高めた企業が強いブランドを作っていける。

5.土屋公三(土屋ホーム会長)

*量を追う経営は成り立たない

ここ数年のマンション供給量は毎年120万戸程度だったが、いずれ80万戸、60万戸の水準になる。量が追えない以上、住宅の質を向上して顧客を獲得するしかない。

6.三森久実(大戸屋社長)

*市場縮小控え、大胆に戦略変更

新興国の食材大量仕入れ、パート人件費の上昇、パートタイム労働法の改正等々取り組むべき問題は多いが、これらは経験済みのこと。最大の問題は少子高齢化による市場縮小。海外展開の活性化などで対応。

7.米山 稔(ヨネックス名誉会長)

*「原点回帰」で態勢を立て直す

2007年に続発した企業不祥事は人ごとでない。どの企業も「原点回帰」が求められる1年になる。何のために会社を作ったのか、事業を続けるのか、経営者自ら省みてその精神を社員に伝えて共有すること。顧客の声に耳を傾けることが大切。

8.大山健太郎(アイリスオーヤマ社長)

*地方企業は「変革の年」

地方間格差はもっと広がると見ている。しかし地方が悲観する必要はない。環境変化を素早くとらえれば勝ち残るチャンスは十分にある。中国から戻ってきた工場を地場産業が狙う、中国市場を狙うなどの可能性がある。

9.松井利夫(アルプス技研最高顧問)

*中国人の雇用・活用が加速する

人材派遣業では、引き合いが増えるものの優秀な人材が集まらずつぶれる会社が出るなど「まだら現象」がおきている。競争社会で勝ち残るには人の力がカギをにぎる。自給自足にこだわる島国的な発想を捨て、頭の切り替えが必要。日本人の若者に無いガッツがある中国人の活用を進めたい。

10.田口 弘(エムアウト社長)

*古い業界にビジネスの芽がある

キーワードは「オープン」。企業の不祥事が頻発したことで消費者は猜疑心 の固まりに。そこで隠すのが当たり前だった情報をオープンにすれば新た なビジネスチャンスが生まれる。今後供給側の論理でビジネスを発想する「プロダクトアウト」から、顧客視点で商売をする「マーケットアウト」への転換が加速度的に進むだろう。

11.江副浩正(ラ ヴォーチェ代表)

*不動産が値下がりし、不況が来る

不動産関連に資金が集まり世帯数の増加を上回るペースでマンションや戸建てが供給され、バブルの様相を呈してきた。今後は値引き競争が本格化することが予想されるが、デベロッパーは経営維持のため物件供給を続けざるを得ず、不動産価格が下がる。金利設定が低い現在は、前回のバブルの際のように金利下げによる救済は期待できず自己破産は増えるだろう。