「ホウ・レン・ソウ」でミスを防ぐ

 同じ業務に携わる人同士が重要な情報を共有するために不可欠な報告・連絡・相談をそれぞれの頭文字をとって「ホウ・レン・ソウ」と呼ぶのはご存知のことと思います。山種証券(現・SMBCフレンド証券)の元社長山崎富治氏が提唱したのをきっかけとして広まったと言われています。

「ホウ・レン・ソウ」を怠ったばかりにミスを犯す・・・事の大小は別として誰にも経験がある事と思います。’つい先延ばしして忘れてしまった”自分の失敗を報告し辛くて、時期を逸してしまった’これは以前に私が犯したミスです。大事には至らなかったものの何とも情けない理由です。 今回は確実に「ホウ・レン・ソウ」を実行するためのコツをご紹介します。


1.オフィスでの取り組み例

人材派遣大手パソナでは、机の並びを円形にしています。社員はそれぞれの机が円周を構成するような形で向き合って座ります。そんな同心円が幾重にか連なる中心に支店長が位置するという、ユニ-クな配置です。目的はコミュニケ-ションを取りやすくするため。各自の表情が見えやすくなり、部下のマズイ状況もいち早く察知してまめに事情を聞くことが出来るなど、報告や相談がスム-ズに行える環境作りを目指しています。

2.それぞれの言葉の持つ意味

「報告」  主に上司からの指示に対する経過及び結果報告  … 縦関係の情報伝達
「連絡」 同僚、関係部署などの間で交わされる  … 横関係の情報伝達
「相談」 仕事で迷ったときなど上司などに判断を仰ぐ  … 縦関係の情報伝達

この三つの要素が上手く機能していないと、上司が誤った判断を下すなどの弊害が 生じてしまいます。また、実行されていたとしてもその内容如何ではやはり好ましくない結果に結びつくおそれがあります。

3.報告技術向上には?

では、どのタイミングで報告を実行すればより効率的でしょう?ポイントは

  1. 状況が変わったとき
  2. 長い期間を要する仕事の時は一定の間隔で
  3. 仕事を終了する目処がついたとき

その内容は『何が、誰が、いつ、どこで、なぜ、どのように、どの程度』といった事実情報を整理した上でまとめるのがコツです。また、自分に都合が悪い事が起きても、早目に正確に伝える勇気が必要と言われています。

4.「ホウ・レン・ソウ」を確実にこなす7か条
      (今井繁之「頭を使ったホウ・レン・ソウ」)

  1. 正しく伝える
  2. 簡潔に伝える
  3. 事実情報と意見・憶測情報は分ける
  4. まずいことこそ早く伝える
  5. 話すことは事前に整理し、質問されることを前提に臨む
  6. 内容が複数ある場合は優先順位をつける

その内容は『何が、誰が、いつ、どこで、なぜ、どのように、どの程度』といった事実情報を整理した上でまとめるのがコツです。また、自分に都合が悪い事が起きても、早目に正確に伝える勇気が必要と言われています。

情報をタイミングよく、過不足ない内容で伝えることはビジネスシ-ンで非常に重要な要素であるとはわかっていますが、確実に実行するには訓練や慣れも必要なようです。職員、顧問先とも、質の良い「ホウ・レン・ソウ」の実行でより良い関係を築きたいものです。

 

( 参考記事 日本経済新聞 )