ライブドア 堀江貴文社長の「稼ぐが勝ち」

 今回のプロ野球再編問題で新規参入に名乗りをあげているのが楽天の三木谷浩史社長とライブドア堀江貴文社長です。三木谷社長と比較して知名度の低かった堀江社長ですが、今回の騒動で堀江社長がメディアに登場しない日はありません。私など最近、小太りで黒いTシャツを着ている人を見ると、みんな堀江社長に見えてしまいます。ちなみにあのTシャツはアルマ-ニだとか。まさか、ユニクロの筈がありませんよね。
 ライブドアの規模は2004年9月期予想で売上高250億円、経常利益50億円、時価総額  2570億円。堀江社長は、世界のビジネスチャンスは旧態依然のオヤジ世代にはつかめないと断言します。露出度の高いこの時期に慌てて書いたとしか思えない本をササッと出してしまうところなど、彼の誇るスピ-ディ-な行動力なのでしょう。「100億円を稼ぎ出すヒント」が隠されているかも知れないと堀江社長が言うその著書「稼ぐが勝ち-ゼロから100億ボクのやり方 堀江貴文著 光文社」を期待と共に読みました。今回は印象に残ったフレ-ズを章ごとにご紹介します。


1.カンタンに壁を破る人・ゼッタイに破れない人
              … コネ・資金ゼロからの起業術

  • 子供のころから塾に言って、一流大学、一流企業に入り、コツコツ働いて係長、 課長、部長と出世して・・・そんなピラミッド構造は既に崩壊している。

  • 20代は搾取される年代。大した仕事もせず、会社に長くいると言うだけの理由で 高給を取る中高年社員の給料を稼ぐのは20代社員。大学の研究者も同じで、少ないポストを取り合い、上はつかえているし当然薄給。教授に手柄まで横取りされる。

  • この時代の転換期に、旧システムの破綻に気づかなければ搾取されるだけ。 世の中は搾取する金持ちと搾取される貧乏人からなる。これは歴史的に繰り返されてきた事実。今はソフトランディングでごまかさず、大きなリセットが必要な時期かも。

  • 雇用者は労働者から搾取している。自分より頭のいい人に自分のリスクコントロ-ルを任せて就職して搾取されるか、自分のリスクコントロ-ルの下に会社を運営して搾取するか。

  • 会社を作るときは、借金してみればいい。人が成功を信じてくれていれば貸してくれるはず。借金できるか否かはビジネスの成功率を計る尺度となる。 会社は他人の能力を利用するための仕組み。但し、使われる人の為にもなる相乗効果のある使い方を。それには、能力の一部を要所要所で利用させてもらうという発想で。

  • 人の心はお金で買えない」も「貧しい人は心がきれい」もウソ。人の心はお金で買える。女もお金についてくる。ビジネスで成功して大金を手に入れた瞬間、到底口説けないネエチャンを口説ける。金を手に入れると、ゆとりとなって自分の精神的な考え方も高みに上がる


2.堀江流「シンプル・イズ・すべて」 … 売上100億円の経営術

  • ビジネスの最前線ではスピ-ドが勝負。複雑に考えることで失うものは大きい。ビジネス上の様々な問題は、全て原点に戻ってシンプル思考で処理すれば最大の効果を発揮する。迷わず、本質だけをシンプルに押さえておけばいい。
  • 基本に忠実に。理想は「シンプルに」「こだわらず」「考えない」経営。事実をありのままに見ると、やるべきことが見えてくる。やるかやらないかは数値化したリスクとリタ-ンのバランスでシンプルに判断。

  • 巡ってきたチャンスに気付くかどうかで人生は大きく変化する。時代の変化を 見極めなければ企業のスピ-ドが落ちてしまう。

  • ビジネスはもともと泥臭いもの。「気合いと根性」で営業あるのみ。 商売はボランティアではない。ボランティアで結ばれた関係は、お金が絡まず、責任が発生しないので脆い。だから、ボランティアには否定的。

  • 失敗しないと学べない人は凡人。他人の失敗から学ぶ努力を怠らなければ自分の失敗は避けられる。

  • 創業メンバ-は必ず分裂して、社長以外は従業員を何人か連れて辞めていく。その動揺を社内に蔓延させないのが大切。但し、大量株を持ったメンバ-の退社には注意を。

  • 会社と会社の取引は基本的に信頼関係。つまり、性善説で成立。しかしバカを見ないため性悪説の面での配慮も必要。信用しつつ万一に備える。

  • 部下はほめない。出来る社員は金額で評価する。ベンチャ-企業のリ-ダ-の条件はぐいぐい引っ張る豪腕。社内はそうして締め付けなければすぐに失速する。 社員の一部の天才に集中投資すべき。その方が経済効率がよい。


3.いま考えていること・これからやること
          … 100億から300億への未来の種

  • インタ-ネットは最先端のとこばかりでなく取り残されたところに意外に大きなビジネスが転がっている。しかしそこには、旧世代の旧勢力が既得権を握っている。これをうやむやにせず一つ一つ誠実にガチンコで対決しなくてはならない。

  • 信頼を勝ち取るには、きちんとした生産ラインを整備して、それぞれの業務の責任の所在を明確にして、それをシステマティックに運営すべき。そして、堅実な技術集団というイメ-ジを作り上げた。

  • ゲ-ムビジネスにおいて、ゲ-ム機の進化はあったがゲ-ムの内容自体は進化していない。これからはネットワ-クゲ-ムの時代。理由は人が相手だから。人と人のコミュニケ-ションに終わりはない。

  • 僕は無駄に敵をつくらない。相手に自分が見えていないのなら、自分も相手を見なければいい。ただそれだけ。そういう意味で自己中。

  • 「自分の限界はこの程度のものだ」と悟ったときに、未来への道は断たれる。悟ってはだめ。悟りは逃避。仏陀の悟りは科学技術が発達していない時代、苦難を乗り越えるために生まれた自己暗示。今の時代にそんな現実逃避のツ-ルを用いてはダメ。

  • とうてい実現出来そうもないデカイ目標を考えて、それを実際実現させることを 心がけている。但し、小さな成功体験を積み重ねて最終的に到達する。「自分はできない」と思い込んでいる人は「俺はできるんだ」と自己暗示をかけてしまえば、ほんとうは誰でもできる。

  • いわゆる「成り上がり」がいなくなった。サクセススト-リ-を見せることが今の停滞した時代を打ち破る上で重要。若者の夢がなくなれば経済は失速する。

  • ポリシ-は、こだわらない・悩まない・即決する。複雑にものごとを考える人はだめ。会社の会議も細かいことにこだわって大局を見極められなければ無駄。 会議は極力シンプルに。事前に意見を集約して目を通す。会議では議論を仕切る人がいなければ議論がぼやける。大勢の会議では議論に参加しない人が出てくるので最高10人まで。集中力はさほど続かないので、短い方が良い。

  • 永遠に安定している世の中など存在しない。「常ならず」は満ち溢れているが、それを忘れて油断が生まれる。世の中「常ならず」なら、その流転に乗って積極的に行動しなければ損。旧世代が作り上げたシステムが次々と崩壊する今、若者が表舞台で活躍するチャンスが到来した。この流れに乗った者だけが勝ち組になれる。

  • 時代は既に変わっている。しかし業界は旧態依然のまま。そこに気づき、時代の流れに乗れないと大きな間違いを犯すことになる。商売は無限にある。インタ-ネットの登場で何でも売れる時代になった。それに気付いた人が大金もちになれる。


!_g 今回のプロ野球新規参入について

最終的には自分たちも得をするのに、オ-ナ-達は球団買収を拒否したか?
「若い奴は雑巾がけからはじめろ」みたいな単純なイジワルでは。時代遅れの嫌がらせの類かも。さもなければ「怖い」のかも。戦争により上の世代が精算され「壁」がなかった時代なので、「若い時代が旧システムを壊していく」経験がないのがその理由


!_g 締めの言葉は…

チャレンジすれば必ず結果は生まれてきます。
チャレンジしてください。
若いうちほどリスクが少なくてカンタンなのですから。