『女性の品格』

 『国家の品格』(藤原正彦著/新潮新書)が記録的なロングセラーとなりましたが、最近の話題は『女性の品格』(坂東眞理子著/PHP 新書)です。女性の社会進出と活躍が当たり前になった日本社会においてこそ女性に従来の男性と異なる価値観やよき女らしさを職場や家庭に持ち込んでほしいと、著者は語っています。

 昭和女子大学学長として現代女性を教育する立場にある著者が、本著を通じて伝えたいメッセージの要約となる一節をご紹介します。


一番重要 なのは、人間としての基礎力をもつことです。 人間としての基礎力とは何でしょうか。自分の行動や生き方の芯になる信念をもつことです。報酬を期待しないでなすべきことをなす、損をしても正しいことを する強さと言い換えてもいいでしょう。そして相手の立場に立って思いやることが出来る、弱いもの困っているものに手を差し伸べることができる、人間の弱さ や不完全さを受け入れる温かさ、自然の美しさや健気さに心を動かす優しさをもっていることが大事です。女性としての品格は、そうした強さと優しさから生ま れてくるのです。

~’あとがき’から~

 次に、本著各章における項目をご紹介します。タイトルを見るだけでも背筋が伸びる思いがする私は、やましいところがあるせいでしょうか…?


第一章 マナーと品格

  *礼状をこまめに書く
  *約束をきちんと守る
  *型どおりの挨拶ができる
  *相手に喜ばれる物の贈り方
  *手土産を持っていく
  *電話のかけ方
  *断るときほど早く、丁寧に
  *パーティーのマナー
  *長い人間関係を大切にする
  *記念日を大切にする

第二章 品格のある言葉と話し方

  * 敬語の使い方
  * 品格のある話し方
  * ネガティブな言葉を使わない
  * 魔法の言葉「ありがとう」
  * 大きな声ではっきりと話す
  * 乱暴な言葉を使わない

第三章 品格のある装い

  * 流行に飛びつかない
  * インナーは上質で新しいものを
  * 勝負服をもつ
  * 秘すれば花
  * 姿勢を正しく保つ
  * 贅肉をつけない
  * 髪の手入れ、お化粧の基本

第四章 品格のある暮らし

  * よい客になる
  * 行きつけのお店をもつ
  * 値段でモノを買わない
  * 浪費とケチの間で
  * けちけちしないで投資マインドを
  * 得意料理をもつ
  * 花の名前を知っている
  * 古典を読む趣味をもつ
  * 思い出の品を大事にする
  * 無料のものをもらわない

第五章 品格ある人間関係

  * もてはやされている人に擦り寄らない
  * 利害関係のない人にも丁寧に接する
  * 仲間だけで群れない
  * 不遇な人にも礼を尽くす
  * 怒りをすぐに顔に出さない
  * グラス半分のワイン
  * プライバシーを詮索しない
  * 後輩や若い人を育てる
  * 聞き上手になる
  * 家族の愚痴を言わない
  * 心を込めてほめる
  * 友人知人の悪口を言わない
  * 感謝はすぐに表す

第六章 品格のある行動係

  * よいことは隠れてする
  * 人の見ていないところで努力する
  * 独りのときを美しく過ごす
  * 目の前の仕事にふり回されない
  * 役不足をいやがらない
  * 私生活のゆとり
  * 頼まれたことは気持ちよくするか、丁寧に断る
  * 縁の下の力持ちを厭わない
  * 時間を守る
  * ユーモアを解する

第七章 品格のある生き方

  * 愛されるより愛する女性になる
  * 恋はすぐに打ち明けない
  * 内助の功
  * うわべに惑わされない
  * 品格ある男性を育てる
  * 過去にこだわらない
  * 権利を振り回さない
  * ゴールデンルール
  * 満足度をあげる
  * 倫理観をもつ