嫌いな自分をリセットする方法

 「俺はダメだ…」「こんな仕事は出来るはずがない」などマイナス思考のダメスパイラルに落ち込むとなかなか脱出することができません。しかし、ちょっとした思い込みを解くだけで、ダメなスパイラルから抜け出せるには…?
 ”BIG tomorrow  No.323 2007年5月号”『人生のリセット法・心理的に見るタイプ別リセット法』 から、”精神科医 大身山浩一氏”が解説する、ダメスパイラルから脱出のための心理テクニックをご紹介します。


Ⅰ上司、同僚、仕事…すべてから逃げまくる『逃避タイプ』

  たとえば、こんな口グセの人…

・僕の能力に合っていない仕事だから出来なくても仕方ない
・こんな仕事、誰にも絶対できるわけない。だからやらない
・責任者である○○さんがやらないなら、私もやらない
・とりあえずまかせた!あとは自分でやってみて。その後考えよう

  こんな人は…

困難な問題を避けて、拒絶的な態度を取るタイプ。自分の主観的な世界に閉じこもってしまい、外界からのコミュニケーションを絶ってしまいがち。気をつけないと社内で孤立する

  こうリセットしよう!

「できないから現実逃避しかない」と決めつけている。すべてのことをうまくやらなくてはと理想的に考えてしまう。なので、短期でまずできることは何なのか、いつまでに何をすればいいのかを具体的に考えて行動しましょう。

Ⅱいつも自分に自信が持てない『反動形成タイプ』

  たとえば、こんな口グセの人…

・あの上司は、本当に非の打ちどころがない。一生あの人についていこう
・こんなことを優秀なあなたにいう必要もないかもしれませんが…
・A部長が言っていることには間違いがない。なんでも実践しよう
・○○さんならば、頭がいいので、すでにご存知かと思いますが…

  こんな人は…

自分が嫌だなと思っていることに対して、まったく正反対の言葉や行動をして自分の心の状態を正常に保つタイプ。慇懃無礼の人や、自分より立場の強い人の腰巾着になりやすい

  こうリセットしよう!

ストレスを意識しない、感じないようにしようとする気持が強いため、反対の態度だけが強調される。自分の感情を押し殺しているため、まずは自分が何に対して嫌悪感を抱いているのか、次にその嫌悪感をうまく発散する方法を見つける

Ⅲ自分と向き合わず他人のせいにする『投影タイプ』

  たとえば、こんな口グセの人…

・こんなに優秀なはずの私を評価しないのはあの部長のせいだ
・俺はお前たちみたいな、将来のないバカな連中とは違う
・バカだな。あいつのおかげで、こっちが迷惑する。そんな顔をしている
・だから、お前は使えないんだ。足を引っ張るのはやめろ!

  こんな人は…

相手が嫌悪感を抱いているのではなく自分のなかのストレスの原因や嫌悪感が自分に対して向けられていると思い込む。嫌いな相手ができてしまったら、相手が自分を嫌っているのではなく、実は自分が嫌っている

  こうリセットしよう!

自分のなかにストレスの原因や嫌悪感がある。自分がうまくいかない理由を相手や環境に転嫁しても結果的に何の解決策も生まないということに気がつく必要がある。 親しい友人に相談してみよう

Ⅳいつも自分にがっかりしてしまう『否認タイプ』

  たとえば、こんな口グセの人…

・これは何かの間違いだ。私がこんな失敗をするはずがない
・私はやっていません。○○さんがやったんじゃないですか?
・おかしいですね。絶対に間違うはずがないんですけれどね…
・あおのときは一時の気の迷いだったんだ。私は悪くない

  こんな人は…

自分のなかで受け入れられない考え方や感情、記憶に対して、それを真っ向から否定することで、自分の心のバランスを取るタイプ。自分の感情、行動をなかったことにする傾向が強い

  こうリセットしよう!

自分の中で受け入れられない考えや感情などを否定せずに、一度でもよいので向き合うことから始める。問題に向き合って認めるところは認めて、自分に降りかかった事実を客観視することが重要となる。まずは嫌なできごとを具体的に書き出してみよう