「人脈力」の作り方 ~ パーティー利用術

 ビジネスを成功させるためには「人脈」が重要なファクターとなることに異論を唱える人はあまりいないでしょうが、「自分は強力な人脈を持っている」とは言える人は余りいません。では、どのようにすれば「人脈」を築くことが出来るのでしょう?そもそも努力によって「人脈」を築くことなど出来るのでしょうか?
 内田雅章氏(株式会社就職課 代表取締役)は、’図解「人脈力」の作り方~資金ゼロから大金持ちになる!’(講談社+α文庫)において「人間、出会う人の絶対数はそんなにかわらない。それを人脈に出来るかどうかは、心持ちの問題」と言っています。

 今回は、同書第4章『意中の人物を口説き落とせ「パーティー&講演会」編』より「人脈作り」を目的としてパーティーに参加した場合の目的達成のためのテクニックをご紹介します。


1.立ち位置は最前列の真ん中で

 パーティーではどこに立っていてもいい筈なのに、遠慮がちに後ろの端っこに人垣が出来たりする。そんな人には「一体何をしにパーティーに来たんだ」と思う。
 上座には必ず主賓級の人がいる。イケてる人はスピーチをするので、やはり最前列にいる。そこでのみ、名刺交換した方がいい人脈を探すことができる。
 とにかく、一番前の真ん中へ、中央へと発想を変えること!

2.名刺を気軽にバラまくな

 パーティーでは、みんな名刺を配りたくて仕方がない。だが名刺をバラまくと自分の価値が下がってしまう。名刺をバラまくと、大物の手にある自分の名刺の価値が下がってしまい、その大物も「大多数のうちの1人」になってしまう。
 それに、出席者全員に名刺を配ろうとするのは誰にでもとにかく営業をかけたい生命保険や健康食品の営業マンなので、こういう人と名刺交換すると次の日から営業攻勢に合う。
 そこで、最初の10分は名刺交換しないで会場で誰が一番偉いのかを見極める。目印は、その人の前に出来た名刺交換の順番待ちの列。名刺は、会場の1割をグリップするつもりで十分。それで自分をブランド化し高く売ることが出来る。

 筆者は、事前に主催者に対し「自分に合いそうな人を3人紹介して欲しい」と頼むことが多い。主催者は参加者のことをよくわかっているので、適当な人物を紹介してくれる。そうやって、ターゲットを絞り込む。もっとも、その前にパーティー自体もし絞り込む。高ければ高いほどいい人が集まると考えて良い・・・情報はお金。

3.パーティーでは胃袋を管理せよ

 パーティーと言う戦場ではおなかの管理もきちんと。筆者は最初の10分で寿司3貫とそば1杯と決めている。理由は、パーティー後のあらゆる事態を想定して。
 会場で満腹になってしまえばその後食事に誘われるとつらい。腹ペコだと直接バーに行った場合すぐに酔ってしまう。その点、寿司3貫とそば1杯の腹具合なら相手のどんな腹具合にも状況展開にも対応可能。
 人脈を作る上で、最初からお酒を飲みすぎてはだめ。下手にお酒に手を出すと、そのお酒の種類によってその後の人脈作りの可能性を摘む場合がある。共通の話題づくり、会話のきっかけ作りに飲み物を利用するためにもこの対応が有効。

4.美女同伴者を狙え

 パーティーの参加目的は、’権限を持っている人や大物とネットワークを作ること’。時間は限られているので、効率よくターゲットを探さなければならない。そこで美人を目印に。同伴女性の美人の順番に大物である確率は高い。
 「女性同伴」が条件でもない限り、勝手に女性を連れて行くことは普通許されない。それを敢えて実行しているということは、主催者と繋がっている確率が高い。
 女性は話しかけられることが少ないし、「大物と同伴」していることがステータスでもあるので話しに乗ってくるはず。それが大物とコンタクトをとるきっかけに。
 要するに、成功する可能性の高いところから落としていくこと。

5.ターゲットの半径二メートルをチェック

 パーティーで攻め落としたい人が見つかったとしても、その人は人気があるので正面から行っても難しい。そこで、その人の半径2mに20分間立っているだけという作戦。そうして顔を覚えてもらって挨拶に行くと、相手は何となく知り合いのように思うもの。
 その人の話が全部聞こえてくるのだから、20分は情報収集の時間でもある。立ち聞きで得た情報から、話題を探るので必然的に会話が盛り上がる。

6.勝負服で勝敗が決まる

 パーティーは勝負服で臨むこと。新品とは言わないまでも、クリーニングしたばかりの服で参加すること。これでパッと輝く。女性なら赤いスーツ。オシャレではなく目立つのが目的。
 パーティーでヨレヨレのスーツだと必ずなめられる。ダメな人が着ているのは、安物と言うよりだらしない。ズボンの折り目がないとか、裾がたるんでいるとかで、それがその人の雰囲気になってしまう。会場の端に立っている人は変なスーツで真ん中に立っている人はいい服を着ているのがパーティーの真実。

7.講演者は目で殺せ

 講演会は講師から聴衆への一方的なメッセージ発信のように思われがちだが、実は講師へ目でサインを送ることが出来る。1時間ずっと講師の目を見続けると、講師の記憶の中に自分のイメージを潜在的に残すことが出来る。
 著者は何としても二人で話したかった人の講演に参加して、最前列の真ん中に座って講師の目を見続け、最後に質問して、終了後名刺交換し、その後すかさず手紙を出すことにより目的を達成した。

8.同好の士を逃すな

 講演会のもう一つの目的は、同士を得ること。お互い一目置く講師の講演に来ていると言うことは、気が合う確率が高いはず。それも最前列中央の両隣2人なら意識も相当高い。これを逃さず名刺交換して、後日の再会を約束する。
 質問をした人もイケてる可能性が高いので、名刺交換をし「あの質問、鋭かったですね」の一言を。これで一気に仲良くなれる。そしてその後の強力な人脈につながる可能性が生まれる。

9.質問は一番最後にせよ

 質問タイムでは時間に制限があるため、たいてい「時間がなくなってきたので、最後にひとつだけ質問を受けます」となる。その瞬間に勢いよく手を挙げると必ず当たる。そこで「最後は俺がしめるんだ」との気持ちで大きな声でわかりやすく質問を。ここで気を付けたいのは質問のための質問でなく、後につなげる質問にすること。例えば、「自分の会社ではどういう人を出世させますか?」など、考えさせて即答しにくい内容が良い。それが、講演後の講師との会話につながる。
 質問は、背筋を伸ばして、自分の名前、会社名を名乗った上で場の雰囲気を大切にして簡潔に。見苦しいのは、自分の意見を延々と述べる人。知識をひけらかしたり、講師に論戦を挑んだりするのは迷惑。それでは人脈は広がらない。

10.鉄は熱いうちに打て

 講演内容は、すでに殆どが書籍になっているはずなので、講演を聞かなくても言いたいことはほぼわかる。講演へは「講師を落としに行く」のが目的なので、その書籍や雑誌記事をきっちり読んで、主義主張やポリシーを分析しておくべき。そうすると、事前に質問も用意できる。
 著者のアポをとるまでの水面下の動き、考え方が他の人と違うのでアポ取りに成功している。「自分なんかが電話していいのか」という躊躇は捨てること。それを決めるのは相手なのだから。
 大物に電話をしてアポが取れなくても当然なのだから、自分はノーリスク。一生待ってもむこうから電話がかかることはないのだから、自分で連絡すること。それも、相手の記憶が残っているうちに。自分で自分を縛ってはダメ。
 著者の場合、講演を聞いて講師に会いたくなったら、講演の翌日に手紙を書いて、届いたころに電話してアポを取る。運良くアポが取れたら、一週間以内に会いに行く。「鉄は熱いうちに打て」のことわざ通りに実行する。