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ライブドア・フジテレビジョンのM&A攻防をきっかけに、「企業価値」という言葉が飛び交うようになりました。しかし、いざ「企業価値とは何か」と問われると、はっきりと答えられる人はどれ程いるでしょうか。
日経ビジネス(1308号 日経BP社)の記事では、「企業価値」を考えるにあたり、(1)顧客(2)株主(3)社員(4)国家(5)市場という5つの要素が重視されています。
では、これら5つの要素は具体的には何を意味しているのでしょうか。
顧客支持=現金創造力を意味します。企業経営においては、現金収支を安定させることが重要です。
株主重視=増配力を意味します。株主価値の最大化を意識しようという考えは、経営者や市場関係者の間に着実に浸透しており、株主配分を厚くする企業が増えています。
社員満足=給与増額力を意味します。企業の成長維持のためには優秀な従業員の確保が不可欠です。そのうえで、業績を正当に反映した給与を与える必要があります。
国家貢献=納税力を意味します。収益を上げ、税金を納めることも社会的実在としての企業の存在意義のひとつです。
市場期待=ブランド力を意味します。財務指標に表しにくい企業価値の代表例に株式市場からの期待の大きさ、すなわち、ブランド力があります。ここでは、「時価総額-株主資本」が指標とされています。
これらの、しばしば利害が衝突する各ステークホルダーにバランスよく報いることが、「価値組」になるうえで重要です。
このような観点から、日経ビジネスでは「伸びる会社」をランキングしています。そして、そのうちのいくつかの企業のトップにインタビューをしていますが、これらの企業に共通していると感じるのは、目まぐるしい市場の変化に柔軟に、かつアグレッシブに対応する姿勢です。
築き上げた成功の上にあぐらをかいていたのでは、自己満足的な経営に陥り、結果としてステークホルダーに報いることができていない状態になるのでしょう。偏らない視点をもち、バランスのよい経営が企業の望ましい姿と言えるのではないでしょうか。