会社の節税ウラ技?

 決算間際における会社の節税ウラ技を解説した本を読みました。「ちょっと危ないかな?」と思える内容もありましたが、概ね解説の通り節税できるとは思います。少し例を挙げますので、ご自分の会社で使えるテクニックかどうか、考えてみて下さい。

  1. 期末に事務用品やコピー用紙を買いまくる。但し、経常的に購入していた量を大きく上回らない事。例年、決算時に貯蔵品として振り替えることをしていないこと。

  2. 社員にボーナスを出す。未払い計上しておいて、決算翌月に支払うのもOK。

  3. 保険契約を締結し、年払いをする。同様に中小企業倒産防止共済に加入して年払いにする。

  4. 自宅を社宅扱いにして、家賃を年払いにする。但し、社員間で処遇のアンバランスが生じないよう、他の社員にも同様の処遇が必要。

  5. 役員を退職させて退職金を払う。

  6. 税金を払うくらいなら、バンバン接待しよう。        ・・・etc.

 

 さて、いかがでしょう?確かにその時の税金は減るかもしれません。ただ、それだけのような気がしませんか?第一、税金以上にお金が必要です。支払った経費以上に税金が安くなることはありません。私も税理士として節税の指導をすることはありますが、無理な節税は経営の悪化を招くリスクがあると考えています。

 では、前述のウラ技の実行が失敗に終わった事例をご紹介しましょう。


  1. 決算間際にコピー用紙を10万円分買った法人のケースです。事務所で、場所塞ぎの厄介者扱いだったため、倉庫に移しました。半年後、湿気の為に使い物にならなくなり、廃棄しました。廃棄も有料です。

  2. いつもは出さないボーナスを、支給基準も設けないまま無理して支払いました。翌年は利益が上がらずボーナスが出せませんでしたが、その事に社員から不満の声が出ました。

  3. 決算期に保険契約を締結し、年払いをしました。その後資金繰りの悪化から早期に解約したため、わずかな解約返戻金しか受け取れませんでした。

  4. 一度始めたら、ずっと続ける必要があります。これからも続けられるのか、じっくり考えましょう。

  5. その役員が退職して居なくなっても困らないなら良い方法でしょう。どちらかと言うと、その役員が今まで不要だったのかもしれませんね。それだと一石二鳥ですが、私は経験がありません。

  6. 決算近くなると張り切って接待に励む社長さんがいらっしゃるようです。接待に効果があれば良いのですが、ないのならお財布と身体の健康のため、やめた方が良いと思います。