分身なくして、会社は成長せず

 とうとう「ダイエー」の名が消えてしまうというニュースが流れました。隆盛を極めた時代を知る世代としては少々さびしさを感じます。ダイエーの創業者中内功氏は売上至上主義でダイエーを巨大グループに育て上げましたが、今では「バブルの負の遺産の象徴」という扱いです。

 30年前の日本はバブル経済に向かう真っ只中で、売れそうなものを見つけていち早くそこに投資すれば間違いなく売れた時代。それを率いるのは剛腕型リーダーでした。ところが時代は徐々に変化し、どんな小さな企業でも「マーケティングの知識」「グローバル化への対応」「法律知識」「コンプライアンスの徹底」などが必須となりました。これらをリーダー一人が担うのは所詮無理な話です。そして、剛腕型リーダーは変化に対応できず退場を迫られることとなりました。西武の堤義明氏もその一人です。

一方、稲盛和夫氏は「分身」の重要性を痛感したそうです。「自分と同じ気持ちになって責任を分担してくれる人」を渇望して生まれたスキームがかの『アメーバ経営』です。経営者と同じくらい強い責任感と高い目線を持ち、経営者の分身のように動き回る社員、つまり「分身」を誕生させ、「全員社長経営」の道筋をつけたことが高く評価されています。

   どの業界も一昔前とは比較にならないほど多様な要素がからんで複雑化しています。経営者は分身を作り、業務を分担して共に歩んでいく必要があるようです。

(参考:NIKKEI TOP LEADER 2014.10号)