長寿企業には相続争いが少ない

 日本は世界一の長寿企業大国です。100年以上にわたって事業を継続する会社が2万社以上もあります。そしてもちろん、そのどこもが何代も事業承継や財産の相続という課題を乗り越えてきたわけです。

 加護野忠男甲南大学教授は、「老舗はそれぞれの環境に合った形で、事業を永続させるための知恵や工夫を積み重ねてきている。それだけに、ファミリービジネスの経営者に参考になる面がたくさんある」と言っています。

 今回は、日経TOPLEADER(特別編集版 相続・事業承継・土地活用お役立ちガイド)より、『老舗が培ってきた五つの極意』をご紹介します。

 

1.先代は社長の座を譲ったら隠居し、後継者に任せる

   ⇒ 経営実務は次の世代が全面的に行う

2.兄弟はそれぞれに合った役割を持つようにする

   ⇒ 本業と新事業を分けて担当する方法もある

3.「地元の経営者の眼」を生かして絶えずチェック

   ⇒ 地域でのネットワークを生かす

4.後継者に「家の教え」を伝えるのは母親の役目

   ⇒ 女性の果たす役割は大きい

5.時間をかけて着実に引き継いでいく

   ⇒ 事業を長期的に捉える強みを生かす