中小サービス業の生産性向上の手法

 日本企業、中でもサービス業の生産性は先進国の中でも下位だと言われていますが、国は生産性を世界トップレベルに引き上げる方針を打ち出しました。今後サービス業には巨大なビジネスチャンスがあると言えるでしょう。

 作業効率化と生産性向上は同義か?サービス業と製造業の生産性向上の手法は同じか?これについて「サービス産業革新推進機構」代表理事の内藤耕氏が解説している記事を『TOP LEADER 2015.3号』よりご紹介します。

 

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 製品を在庫として蓄えることができる製造業は作業効率化が生産性向上につながりやすが、サービス業はそれとは異なる。サービス業は、顧客が求めることを、顧客が求めるタイミングで提供することにより付加価値を生み出す。この「生産と消費の同時性」を理解しなければ、サービス業における生産性向上の取り組みは無駄になる。

 注意点は二点あり、まず一点は「生産と消費の同時性」というサービス業の特性を理解する事で、個別業務の時間を短縮しても、サービスを提供するプロセス全体を効率化しなければ無味となる。あと一点は、異業種企業は勿論のこと、同業他社とも生産性を比較しないこと。サービス業の生産性の確認はあくまで自社の過去の数字となる。

 具体的な生産性向上策策定のプロセスは次の通り。

 自社の労働生産性のデータを把握

 現状改善のための実験 ⇒ 改善が見られなければ別の手段に

 標準化(マアニュアル化)すること ⇒ 一人の従業員が複数のスキルを身に着け同時進行が可能