学生ベンチャーの草分けとして知られる株式会社堀場製作所の堀場雅夫最高顧問が逝去しました。終戦直後に創業し、同社を世界的な計測器メーカーに育てた氏の残した言葉をご紹介します。

 

１．「人間本来の欲望を抑えるな」

　欲望は、神が人間という種族を守り、成長させるために与えた貴重なもの。「欲望を抑えろ」というのは神を冒瀆するも同然。強欲は駄目だが、欲望には素直であるべきだ｡

２．「おもしろいと疲れない」

　おもしろく仕事をすれば疲れない。だからおもしろく働くことこそ、人間の自然な姿。仕事が苦痛という考えは間違っている。苦しいなら工夫して、おもしろくしたらいい。

３．「叱る前には１，２時間考える」

　叱りすぎたら委縮し､叱り足りなかったら本人のためにならない。だから僕は、社員をどう叱ろうかと１，２時間考えてから叱り、叱った後も十分に伝わったかと１時間考える。しかるには愛情が要る。

４．「若手社員に愛社精神は不要」

　若手社員は会社より自分のことを優先すべきだ。がんがん勉強し、とにかく自分を磨く。給料分も働いていないのに、「会社を愛しています」なんて言うのは大きなお世話。厚かましい。

５．「社長はイージーゴーイングで」

　社長があらゆる仕事にかかわると、会社は回らない。財務などをオープンにし、社員がおもしろおかしく働けるようにすれば、社長はラクができる。イージーゴーイング（気楽）を目指そう。

参考：日経TOP LEADER　2015.8号