日経ビジネス誌上ビジネススクール 脱前例主義の復興を考える

 震災から1年が経過しました。未曾有の災害に加え原発問題もあり、なかなか解決の見通しは立っていません。
 「日経ビジネス2012.3.12号」では、震災1年を機に大手企業10社の若手を集め、被災地支援を契機に日本と日本の産業のこれからを考える「誌上ビジネススクール」の様子を紹介していますので、エッセンスをご紹介します。


 スクールでは、参加者10人を3チームに分け、与えられた課題(被災地の復興につながる具体的なビジネスの創造)についてチームごとに60分議論し、10分のプレゼンに仕上げることが課されました。

1. 参加者の所属企業と年齢

ヤフー(34)、セブン・イレブン・ジャパン(37)、日産自動車(33)、ユニ・チャーム(34)、三菱商事(36)、ディー・エヌ・エー(38)、楽天(28)、富士通(39)、NTTドコモ(33)、良品計画(38)

2. 課題

 東北地方の被災地のうち、1つの地域(町村)を取り上げ、あなたのチームのリソース(資源)をフル活用して被災地の復興につながるビジネスを創造してください。どの地域を選ぶかは、インターネット上にある情報で判断して結構です。例えば宮城県石巻市の雄勝であれば「雄勝」「ホタテ」「牡蠣」のように、その地域の特産品や、既存の農業、漁業の組織をうまく生かしてください。

 総花的でない、個別具体的なビジネスシステムまたは社会システムとしてプレゼンしてください。

3. モデレーター

  藤原和博氏
  • リクルート出身で、東京都内の公立中学初の民間校長になり教育現場の改革 取り組んできた。社会人のキャリアの磨き方などに関する著書・講演を手掛ける。

 

4. プレゼン例

 東北地方の伝統織物「刺し子」で高齢者の生きがいを高める。 企業を設立し、刺し子を作る高齢者を集め商品を発注。プロ野球チーム、東北楽天ゴールデンイーグルスのユニホームに刺し子を入れて宣伝

5. モデレーターのアドバイス

  • ブランド化が必要。低廉な海外の人件費と競合してはダメ
  • ブランドを育てるには、きちんとした生産体制を整えて品質管理が必須
  • 成功すれば被災地以外の高齢化地域にも応用可
  • 60分という短時間で求めたことは、鮮烈で個別具体的な発表、つまり「途中経過報告」。これから修正が必要
  • 今回のビジネススクールに込めた思いは「前例主義と事なかれ主義を打破する」こと。

 既に復興支援で様々な商品を売り出すプロジェクトが動き出しているが、1年経ってみると価値ある製品でなければ継続的には売れないことが見えてきた。息の長い支援を考えるなら、緻密な計画とそれを支える人材が必要