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急速な経済成長と人口増加が続き、海外進出先として注目を集めているのがインドです。日系企業の進出は800社にすぎず、チャンスはいくらでも転がっていると紹介しているのは『日経TOP LEADER 2012.3号』(日経BP社)です。今回は、本特集よりインドに於いてチャンスをつかんだ中小オーナー会社の成長プロセスをご紹介します。
*千葉県習志野市
*水銀を使わない温度計・ギアを使わない圧力計の製造
■ 汎用品の分野で価格競争を仕掛ける欧米メーカーに対し、日本に拠点を置くネステックは価格競争で優位に立てず、汎用品を海外生産するか汎用品を捨ててハイエンドに徹するかの判断を迫られていた。
■ その頃、インドの計測器メーカーから連携の誘いがあり、サンプル品の価格・品質にも問題が無いため、誘いを受け入れた。
■ しかし、現場を視察すると生産管理が著しく劣っており、これを徹底して教え込んだ。現在現地に常駐する日本人は1人のみで、他はインド人。マネジメント・生産管理共に現地パートナーに任せている。今後市場での需要拡大が見込まれる製品の製造にも取り組む。
*大阪府大阪市
*洋服の縫製(OEMによる生産)
■ 主にOEMによる衣料品の製造を業務としている。工場を見ると大量のミシンが並び人海戦術のように見えるが、業務を支えるのは「IT技術」。生産の進捗状況の管理から、取引先との打ち合わせ、製品の柄や色のシミュレーションにもITを活用するが、豊富なIT人材を抱えるインドなので環境整備が容易だった。
■ インドの「生地」という伝統と「IT」という革命を結び付けて成功した例となった。
*東京都墨田区
*業務缶の蓋の製造
■ インドでのビジネスチャンスを探る目的で市場調査を実施した2007年7月頃、出した結論は「時期尚早」。インド人は品質より価格重視の価値観だったのがその理由。
■ しかし、別のビジネスチャンスの可能性に気付いた。ホテルなどの宿泊施設は高いし、事務所はコンクリートの打ちっぱなしで引き渡されるという状況を見て、速やかな事業立ち上げをフォローする業務が受け入れられると思った。
■ その後、日本食を提供する宿泊施設・運転手つきレンタカー・不動産紹介・会社登記など、利用者の要望を受けて多岐に渡るサービスを展開している。