『3つのリストラ』の勧め

 円高や電力不足、タイの洪水被害など、日本企業への逆風は強まる一方です。  長引く不況の下、10年前から合理化・リストラに取り組む企業は多かったのですが、より筋肉質な組織を目指すにはさらなるリストラに取り組む余地があるというのは’ボストンコンサルティンググループ日本代表 水越豊氏’です。
 今回は『日経ビジネス2012.2.13(日経BP社)』より同氏の記事『3つのリストラ』の勧めをご紹介します。


1.ポートフォリオの見直し

 コングロマリット・ディスカウント(事業の多角化により、個々の事業をそれぞれ営むより全体の企業価値が下がることを言う)に陥っているケースが多い。売上高の減少を嫌って利益の出ない事業からも手を引かないケースが多いが、儲からない事業からは撤退するという思い切った決断も重要。

2.縦のリストラ

 ボストンコンサルティングの造語で「ディレイヤリング」という言葉がある。レイヤー(階層)を簡素化するという経営手法を指す。
 人員削減といえば、各部門の人数を減らす「横のリストラ」が一般的だが、縦に間延びした組織を削ると、コストカット以外にも報告業務が減って意思決定のスピードが上がるなどのメリットがある。

3.関連会社のリストラ

 購買費や資材費などの外部購入費用のカットはどこでも行っている。価格比較が出来やすいという理由もある。
 一方、子会社などの関連企業が専門的な業務を行っていることもあって、リストラが進んでいない。外部から利益が得られないため内部からの受注で補填している企業が多い。それならば、外部への販売は中止して徹底的にコスト削減を実行するべき。親会社のために果たすべき役割を明確にしなければならない。