個人型確定拠出年金の加入対象者拡大

 現在、個人型確定拠出年金への加入対象者は自営業者等や企業型の確定拠出年金を実施していない会社の従業員などに限られていますが、改正により平成291月からは専業主婦・公務員・企業年金に加入している会社員等も加入できるようになります。これにより新たに対象者に加わるのは2,600万人と言われています。平成27年度の1年間で個人型確定拠出年金の加入者が21%増加しているという状況を考えると、対象範囲の拡大による加入者の急増が予想されます。

 さて、個人型確定拠出年金の掛け金は加入者自身が支払うこととなりますが、拠出時・運用時・受取時の各場面で税制上の優遇制度があります。拠出時は掛金の全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象となり、所得税・住民税が軽減されます。運用段階では運用益が非課税です。受取時、一時金で受け取ると退職所得として所得税・住民税の負担が軽減され、年金で受け取ると公的年金等控除の対象となる雑所得として扱われます。

 一方、リスクもあって原則60歳になるまで引き出しができない、加入時の手数料や毎月の口座管理費などランニングコストが必要、運用によっては元本割れとなる可能性もあるということを考慮することを忘れないようにしてください。