『納税が必要な理由が腑に落ちているか』

 世の中に「税金を払いたくない人」はたくさんいらっしゃいます。利益が出そうだとなると、一気に消費に走る社長さんも多いようです・・・お気持ちはわかりますが、納税をするような体質がその後の企業経営の安定と発展につながるという事にも目を向けてほしいと思います。常々そのようなことを考えていますが、日経TOP LEADER 2016.8号の対談で星野リゾートの星野佳路が同様の発言をされていますのでご紹介いたします。

【星野佳路のファミリービジネス研究会】

 同族企業は、納税を嫌う傾向が強い。だから利益が出そうになると、期末に費用として使ってしまう。それが社業に関わる出費ならまだいいのですが、まったく関係ないことに使ってしまう。専らプライベートで使う自動車であるとか。だから、温泉旅館でお客さんを運ぶバスが老朽化しているのに、オーナー社長は輸入高級車に乗っているなんていう、本末転倒な事態に陥る。

 このようなケースの根本的な問題は、経営者の一族が、貸借対照表や損益計算書をよく理解していないことです。税金を払ってでも会社に利益を残さなければ、金融機関から借り入れができないし設備投資ができない。つまり会社の成長のために、お金を使えない。どう考えても、それで経営がうまくいくわけがないでしょう。

 きちんと納税した方が、会社はもちろん、オーナー一族にも「良い未来」が待っているはずなのです。基本的な勉強が足りないと、そんな当たり前のことさえ見えなくなってしまいます。