‘アパート融資 異形の膨張’

 326日(日)付の日本経済新聞の一面に標題の記事が掲載されています。資産家には気に留めておいて頂きたい内容なのでご紹介します。

 ご承知のように、2015年の税制改正で相続税の基礎控除額が引き下げられ、課税が強化されました。そこで相続財産の評価額を下げ、相続税の負担を軽減する目的でアパート経営に乗り出す方が増加しました。その結果、2016年の金融機関による不動産務向け融資は過去最高を記録しています。

金融庁はアパート融資について「金融システムに影響を及ぼしうるリスク」と指摘しています。アパート経営を手掛けるのは富裕層が多いため仮にアパート経営が破たんしても担保の土地を没収すれば銀行の懐は痛まないというのが基本的な考え方。ただし、地方経済の衰退により土地の担保価値が目減りすればその理屈は成立しないことになります。 

ではアパート経営破たんは起きうるのか…?次々とトラブルが起きているのが実態のようです。入居率の低下により銀行返済額や管理費が家賃収入を上回るケースや、不動産会社からサブリース期間の短縮を迫られるケース。経営が立ち行かなくなりアパートを売却したものの資産価値が下落して借金だけが残ったケースもあります。(2017.3.26 日本経済新聞)

 

 「相続税を安くする」という目的は達成できても、それと共に大きなリスクを背負うのがアパート経営です。現在から将来にわたり立地条件に恵まれている場所で、アパート経営に関しての深い知識を持ち、情報収集を怠らず、すぐに行動できる身軽さを持つのでなければアパート経営は成功しません。くれぐれもハウスメーカー主催の「アパート経営セミナー」に数回参加する程度で安易に走り出さないよう熟慮を重ねて頂きたいと思います。