外れ馬券訴訟

 昨年12月20日、いわゆる外れ馬券訴訟において、注目すべき判断がされました。馬券の払い戻しに係る所得が『一時所得』なのか『雑所得』なのか…?の争いにおいて、今回下された結論は『一時所得』でした。『一時所得』なら外れ馬券が経費として認められず、『雑所得』なら認められるため、税額に大きく影響します。

 外れ馬券訴訟として代表的な3つの事件につき、それぞれの概要をご紹介します。

 

【1.東京高裁 平成28年9月29日判決→平成29年12月20日上告棄却】

所得区分

一時所得(外れ馬券の購入代金の控除不可)

行為の期間

平成20年~22年のほぼ全ての土・日

購入回数

年1,500~2,000回

払戻金獲得回収

年100~200回

購入馬券選定方法等

競争成績分析等による各馬の実力と適性を把握、馬主であることを生かした豊富な情報等を駆使し、配当比率に妙味がある馬を選定し、その馬を中心に馬券を購入

ソフトウェア未使用

※利益発生の規模・期間等

払戻金

馬券購入金額

収支

平成20年

109,717,400

92,128,990

▲17,588,410

平成21年

89,179,200

57,450,900

▲31,728,300

平成22年

59,382,800

38,227,060

▲21,155,740

合計

258,279,400

187,806,950

▲70,472,450

 

【2.最高裁 平成29年12月15日判決】

所得区分

雑所得(外れ馬券の購入代金の控除可)

行為の期間

平成17年~22年

購入回数

年104日、1日当たり24~36レースの9割以上⇒年2,000回以上

購入馬券選定方法等

テレビや競馬新聞等で集めた情報に基づき、中央競馬会に登録された競走馬につき独自の絶対評価を行い、馬の能力・騎手・コースの適正等の考慮要素に基づいて各競走馬を評価。コース別シミュレーションにより補正し、レース結果を予想して予想の確度に応じた馬券の購入パターンにより、馬券の種類に応じて購入条件となる倍率を決めた購入基準により馬券を購入。

ソフトウェア未使用

※利益発生の規模・期間等

払戻金

馬券購入金額

収支

平成17年

345,411,500

364,160,850

18,749,350

平成18年

646,137,500

705,043,500

58,906,000

平成19年

2,173,558,800

2,295,455,000

121,896,200

平成20年

1,561,428,800

1,666,885,980

105,457,180

平成21年

1,494,620,600

1,702,542,850

207,922,250

平成22年

1,048,086,000

1,103,736,500

55,650,500

合計

7,269,243,200

7,837,824,680

568,581,480

 

【3.最高裁 平成27年3月10日判決】

所得区分

雑所得(外れ馬券の購入代金の控除可)

行為の期間

平成19年~21年

購入回数

土日開催の中央競馬の全ての競馬場のほとんどのレース

年2,000回以上

購入馬券選定方法等

市販のソフトウェアを使用して馬券を購入。回収率を高めるため

インターネット上の競馬情報配信サービス等から得たデータを自らが分析した結果に基づき、同ソフトウェア条件を設定してこれに合致する馬券を抽出させ、自らが作成した計算式によって購入額を自動的に算出。

 

※利益発生の規模・期間等

払戻金

馬券購入金額

収支

平成19年

667,350,200

767,781,370

100,431,170

平成20年

1,420,398,800

1,446,835,500

26,436,700

平成21年

781,765,600

795,176,110

13,410,510

合計

2,869,514,600

3,009,792,980

140,278,380