没後20年 – 今こそ、本田宗一郎

 本田宗一郎が亡くなり20年になります。奇しくも日本経済の「失われた20年」と重なります。さらに東日本大震災が引き起こした原発事故は日本の「ものづくり」神話を根幹から大きく揺るがしました。自信を失いかけた日本の経営者が学ぶべきは宗一郎の生き方そのものとして、『日経トップリーダー 2011.7号』(日経BP社)では’没後20年 - 今こそ、本田宗一郎’をタイトルに特集が組まれています。

 今回はこの記事から、不透明な時代に不安を覚える経営者の質問に対し答える「現代に漂う閉塞感を打破する宗一郎の教え」を、ポイント別にご紹介します。


1. 士気向上

Q.社員に元気がないのですが、どうすればいいのでしょうか。

A.「会社のため」に働かせているんじゃないか。
「自分のため」だから、人は一生懸命になれる。社員の身になって社長も考え、本気で叱り、本気で喜んでやれ。そうすれば、下の連中は付いてくる。

2. 人材育成

Q.うちのような小さな会社には、優秀な人材が集まりません。

A.中小企業なら当たり前だ。うちだってそうだった。
やる気がある奴なら、難しいことをどんどんやらせれば育つ。
失敗するかもしれないが、気にするな。若い連中の力を信じろ。

3. 商品開発

Q.アイデアが出てこず、なかなかヒット商品がつくれません。

A.あんたは誰のために商売をしてるんだ。お客さんのためだろう。
いい商品が作れないのは、それを使うお客さん、つまりは人間のことを朝から晩まで考えていないからだ。

4. 目標達成

Q.国内の市場は縮むばかり。このままだとじり貧です。

A.世界に目を向けなきゃダメだ。良品に国境はなし。
優れた製品・サービスであれば、顧客に受け入れられるはず。
人の力を信じて、「世界一」を目指して努力し続けろ。