「グズな人」はなぜ、グズなのか

 PRESIDENT(プレジデント社 発行)2011.2.14号の特集は、『ムダ2千億削減!日本一の「カイゼン王」が初解明 「グズな人」はなぜ、グズなのか ~ 「時間がない!」の9割は思い込みだった』です。極度の「グズ」を自認する私が自分のグズタイプを知るために参考になったのが、「先送り症候群6タイプ別病状と処方箋」です。今回は、この記事のエッセンスをご紹介します。  アドバイザーは、心理学ジャーナリスト佐々木正悟氏、心理カウンセラー笹氣健治氏、メンタルコーチ平本あきお氏です。


1.完璧主義タイプ ~ なぜ、すぐプレゼンの準備に取りかかれないのか

症状 ;週明けの会議でプレゼンをやらなければならない。それはわかっているのに、 どうしても取りかかれない
分析 ;このタイプは完璧主義。完璧なものを作成しようと思うあまり手をつけられない。
こんな人たちは常に緊張感が高く、高いモチベーションの行動を望む。
改善策 ;効率主義タイプは、仕事の「仕分け」が出来ていない人。
効率化できる仕事とは、何度も同じ事を繰り返すうちにムダな作業が明らかになってくる単純繰り返し作業だけ。つまり、マニュアル化が可能な仕事。

クリエイティブな仕事や毎回相手の代わる営業などは効率化できない。マニュアル化不能の仕事は、「誘導タスク」という仕掛けで、とりあえず一歩を踏み出すこと。

 

2.効率主義タイプ ~ なぜ、ノウハウ本が机に山積みになってしまうのか

症状 ;人は些細なことで怒り文句を言ってくると思い込んでいる。
したがってよほどモティベーションを高めなければごく簡単な作業も出来ない。
分析  ;ノウハウ本は「ムダなことをやっていると勝ち残れない」というイメージを送ってくる。
そのせいか効率的なやり方にこだわるあまり、仕事の肝心な部分を先送りしてしまう。
改善策  ;「100点を取らないといけない」は自分の内側の基準であり、完璧主義とは自己満足の別名。
外側の基準とは、さし当り上司の評価。上司がOKならそれでよしと考える。

 

3.心配性タイプ ~ なぜ、資料の送付、電話一本すら億劫になるのか

症状  ;最新の仕事術を身につけて効率的に仕事を片付けようと思っているのに、 机の上にノウハウ本がたまるばかりで、肝心の仕事に手がつけられない。
分析  ;人に文句を言われたくないという外側の基準に囚われ、いつも緊張して生きている。
親から年中怒られる環境で育った人に多い。
改善策  ;自分がグズグズしがちな行動を書き出す。書き出した上で、行動に伴う目先の”苦”と将来の”快”を比較し、快に目を向けるようにする。
次に苦手意識の強い作業と快を結びつけて作業に取り掛かる。するとその作業自体が心地よいものになる。

「現実主義療法」が効果的。やるべき仕事をリストアップし、タイマーをセットする。
アラームが鳴ったら機械的に仕事を始め、次にアラームが鳴るまでに仕事をダーっと片付ける訓練を重ねる。「手間暇かけても結果はあまりかわらないこと」を学ぶのが目的。

 

4.白昼夢タイプ ~ なぜ、すべきことがあるのにダラダラしてしまうのか

症状 ;やるべきことは山ほどあるのに、なにしろ面倒臭い。
自分はダラダラしているつもりはないが、上司からはダラダラしていると叱られる。
分析  ;この症状は「白昼夢タイプ=デイドリーマー」。グズの中でも最も症状が重いタイプで、頭の中だけで仕事を完結させるため空想にエネルギーを集中し、空想の世界で達成感を得ている。本人は真剣だが、周囲が見るとボーっとしているだけ。
改善策  ;どんなことも、やるべきことをすべてスケジュールに入れてしまう。
予定が変更になればその都度リスケ。自己愛が強いので、否定しても苦にしないが、ヒロイズムに酔い痴れるタイプでもあるので格言などインプットするとヒロイックな気分になって重い腰を上げる。

 

5.自分探しタイプ ~ なぜ、英会話の勉強が続かないのか

症状  ;高い英語教材を購入しながら、モニにならないうちに中国語に興味がわいて英語は中断。並々ならぬ覚悟で取り組んだもののいとも簡単に挫折してしまう。
分析  ;やるべきことの中で優先順位が低いのが原因。
この手の先送り現象は自分探し中の人に多く見られる。成功するため自分に合ったものをしたいと考え、逆に合わないものをするのはお金と時間の無駄と考える。
自分に合うものを探し出したいという気持ちが強すぎて何かひとつに決めることを恐れる。そこで、何かを始めようとするとすぐに目移りしてしまう。
改善策  ;自分に合うか合わないかはやってみなくてはわからない。なので、お試し期間を設けてとにかくやってみる。それでもやりたい気持ちが変わらないなら続けるとよい。