オーナー社長「失敗の5段階」 ~ リスク不感症が会社をつぶす

企業間競争において、オーナー社長の強みが生きてきます。但し、自信は傲慢と、大胆は無謀と紙一重です。『日経トップリーダー2011.2月号』(日経BP社)では、’オーナー社長「失敗の5段階」 ‘と題した特集が組まれていて、経営に失敗するオーナーはそこに至るまで五つの段階を経験するとしています。


*第一段階  ;挑戦心が招く間違った思い込み(自分のアイデアを過大評価して、状況判断を誤る)
*第二段階 ;勢いに任せた拡大志向(自分の力にうぬぼれ、無理な事業展開や多角化投資に走る)
*第三段階  ;成功体験がもたらす呪縛(目先の対応に追われて、事業の抜本的な見直しが遅れる)
*第四段階 ;業績が振るわない。責任を転嫁(「社員がダメ」「景気が低迷」「運が悪い」と人のせいにする
*第五段階 ;社長の追放や会社の倒産(社員や取引先から信用を失い、事業が継続できなくなる

 

会社の業績が下がり始めたとき、社長をそばで見ている社員はどのように感じているでしょう?2社に1社は「社長失格」と見ているようです。社員300人未満の企業に勤務する20~60代の正社員300人へ実施したアンケートの結果は次のようになっています。

 

Q1. 経営者の言動に対して、「社長失格!」だと感じたことはありますか?
A1. はい 141人
いいえ 159人

 

Q2. 「社長失格」と思うのはどんな時ですか?(複数回答 3つまで)
A2. 現場の実情を全く無視している 29.8%
経営理念や事業方針が何度も変わる 28.4%
公私混同が目に余る 27.7%
周囲にイエスマンばかり置いている 25.5%
決断をしない 22.0%
人の話をよく聞かない 22.0%
社員教育に力を入れていない 18.4%
過去の成功体験にとらわれている 13.5%
一般常識や基本的な教養のない発言をした 12.8%
うまく行かない原因を「自分のせいではない」と責任転嫁する 11.3%
尊大な態度を取った 9.9%
財務諸表など自社の数字を把握していない 3.5%
その他 6.4%

 

Q3. 「会社が衰退している」と感じている方で、「社長失格」と思うのはどんな時ですか?
(複数回答 3つまで)
A3. 現場の実情を全く無視している 20.8%
周囲にイエスマンばかり置いている 16.8%
経営理念や事業方針が何度も変わる 16.0%
決断をしない 16.0%
社員教育に力を入れていない 13.6%
公私混同が目に余る 12.8%
人の話をよく聞かない 12.8%
うまくいかない原因を「自分のせいではない」と責任転嫁する 10.4%
一般常識や基本的な教養のない発言をした 9.6%
過去の成功体験にとらわれている 8.0%
尊大な態度を取った 5.6%
財務諸表など自社の数字を把握していない 4.0%
その他 4.0%

 

Q4. 経営者に最も必要な取り組みは何ですか?
A4. 社員のモチベーションを高める 39.3%
会社が進むべき道を示す 34.7%
新しい事業の柱を作る 8.0%
謙虚になる 6.3%
磐石な財務体質を作る 6.0%
社員教育に力を入れる 4.3%
その他 1.3%