事業建て直しの『勘違い』 ~平凡な社長ほど自分でピンチを広げている~

 事業は、伸ばすより回復させるほうが難しいといいます。厳しい経済状況にあって、経営回復に躍起になっている社長も多いはずです。今回は、『TOP LEADER 2010年5月号』(日経BP社)より、業績下降・回復局面で社長が陥りがちな「敗者の錯覚」のポイントをご紹介します。


1.集客策の錯覚 売り上げ回復へのポイントは…

  1. 売れない理由を100個探すより売れた理由を1個見つける
  2. 大切なヒントほど足元の石ころのように転がっている
  3. 平凡な経営者ほど魚が何匹いるか数えずに釣りをする
  4. あれこれ工夫するより”看板娘”を一人雇う方が客は来る
  5. やりたいことは100人から否定されるまであきらめない
  6. どんな宣伝より、一枚の年賀状が会社を救う
  7. できるときにやらず、できないときにやろうとする

2.コストダウンの錯覚 利益確保のポイントは…

  1. 中小企業の経営に盲点などない。社長が真剣に見ていないだけ
  2. 「企業秘密」がない安定した利益など生まれない
  3. 平凡な社長ほど売り上げを増やして利益を伸ばそうとする
  4. 儲けていない社長ほど自分の会社の財務に疎い
  5. 「大胆な決断&慎重な検証」でなければダメ
  6. 社員にやる気がでないのでなく、社長が引き出せないだけ
  7. 出来ることからやると言って、できることしかやらない

3.資金調達の錯覚 その一 借金返済のポイントは…

  1. “怖くない相手”への返済ほど後回しにすると地獄を見る
  2. 借金は額が少ないほど和解しにくい
  3. 税金や社会保険より銀行への返済を優先するのは順序が逆
  4. 破綻の結論ありきで話を進める”再建のプロ”に注意
  5. 「銀行と戦え」などという言葉を鵜呑みにしてはダメ
  6. どんな事情があっても「テールヘビー」な返済計画は避ける
  7. 銀行員の「検討します」は「ごめんなさい」

4.資金調達の錯覚 その二 借金返済のポイントは…

  1. リスケは「危機脱出」でなく「倒産へのカウントダウン」
  2. なぜか借りられないそんなときは「名寄せ」を疑う
  3. たった1つの勘定科目のために融資が出ない例も
  4. 銀行取引停止でも資金調達する方法はある
  5. たった1つのチェックミスで家族が路頭に迷う
  6. 融通手形は一度始めたらおしまい
  7. 「在庫」を「処分」してはいけない

5.業績回復局面での心構えの錯覚

  1. 会社の寿命を縮めるのは結局、社長のメンツ
  2. 「社長は悪くない」とコンサルに言われて安堵してはダメ
  3. 「今度は成功しそうな気がする!」は気のせい
  4. 「とりあえず様子を見る」は大抵さらなる災難を招く