「団塊モンスター」パワーを企業の力に

 会社を定年退職した団塊世代の一部がモンスター化しているそうです。

 大手企業のコールセンターに電話をかけ、改善提案をしたりデータを求めたり。 悪意ではないけれど、未知なるモンスター。しかし、縮小する国内市場において、数で突出し、知識、経験、資産も豊富な彼らのエネルギーを生かさない手はありません。

 今回は、”日経ビジネス2009.12.7号”(日経BP社発行)から、彼らのパワーを活用している3社の取り組みを紹介します。


■ ジュピターテレコム(情報通信サービス)

 「いきいきプロジェクト」に登録し、ボランティア兼アドバイザーとして活躍してもらう。活動内容は各種教室の講師やイベント運営のサポート、アンケートやインタビューへの協力である。

 こうして彼らの知識、経験を活用するとともに、彼らに居場所を提供し、じっくり付き合うことによって中心顧客層であるこの世代を引き留めようという狙いがある。

■ ニッセン(通信販売)

 団塊世代を中心とした中高年層のネット会員の増加にあわせてネット関連専用の問い合わせ窓口を設けた。また、メールでの問い合わせに対しては、30分以内での返答を目指しており、顧客との距離を縮めようとしている。

 さらには顧客とチャットができる状態にし、気軽に問い合わせできる環境を整えることで、顧客との距離をさらに縮めて、団塊モンスターをなじみの得意客に変えることを目指している。

■ テルモ(医療機器メーカー)

 団塊世代を中心とする利用者の自宅を訪問し、意見を聞く商品開発に取り組んだ。

 高度成長とともに新しい物を次々と使った知識と経験の蓄積があり、商品の本質を理解している彼らの意見を参考に誕生した血圧計は、通常の受注件数を大きく上回った。