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依然、私達を取り巻く経済状況は厳しく、先行きも不透明です。派遣社員の雇い止めや正社員のリストラと言った話題ばかり聞こえてきます。ところが、こんな状況においても過去最高益を更新するなど、元気な企業は少なくありません。今回は『別冊宝島・倒産した会社 倒産しない会社の決算書』(宝島社 2009.4.28発行)から、”有望企業8社の決算書に学ぶ倒産しない会社の見分け方”をご紹介します。
アパレル各社は、SPA(自社ブランドによるアパレル製造小売業)に転換し、収益率を上げようとしている。その牽引役がユニクロ。 同社の売上高は昨年比10%となっているが、一時的な要因で増減する利益と異なり操作が出来ない売上高のこの数字は、圧倒的な強さを物語っている。
▶ 指標:売上高伸び率=前期の売上高に比べ、今期はどれくらい伸びたかを示す
「生活防衛」が叫ばれるご時世において、カカクコムは重要な消費の指標となっている。その他、レストランの口コミ情報が集まった”食べログ”や宿泊費80%オフのホテルが見つかることもあるという”yoyaQ.Com”などのサイトが好調。 カカクコムは「巣籠り消費」ブームにより家庭で楽しむための商品購入の際利用されることが多く、今期営業利益伸び率75%を予想している。
▶ 指標:営業利益=売上総利益からコストを差し引いた、「本業で稼いだ利益」
長期低迷の小売業で、安さがウリの量販店は好調。中でも靴量販店のABCマートの成長が著しい。勝因は、安く仕入れること。同社はメーカーとの直接取引で間接費用を削減しているためどこよりも安く仕入れることが出来る。
▶ 指標:売上高営業利益率=売上高に対する営業利益の割合で、
「売上に対してどれくらい儲けているか」
DSとWiiを開発し、20歳前後のゲーマー世代、30歳前後のファミコン世代に加え、それ以上のゲームとは無縁の世代をうまく取り込んだ点が評価できる。また、ハードだけでなくソフトにも秀でている。
▶ 指標:営業キャッシュフロー=本業である営業活動で資金がどれだけ増えたかを示す
猫も杓子もエコを唱えるご時世にあって、二酸化炭素を排出しない究極の”エコ乗り物”として注目の自転車。特に好調なのは高額のスポーツタイプ。同社はネット販売に加え国内164店舗の自転車専門店をチェーン展開する。
▶ 指標:運転資金=売上債権-仕入債務+棚卸資産
流通、小売不況にあっても好調なのは、コンビニ。要因は「タスポ効果」と、それに加える「ついで買い」。今後は薬販売解禁と、ナカ食の供給先として弁当の販売に期待出来る。ファミリーマートは好調の結果として毎年増配を続ける。
▶ 指標:配当=株主や出資者に利益や剰余金の一部を分配
少子高齢化、若者の非婚・未婚化などによりブライダル業界の見通しは明るくない。そのような状況にあっても、一軒家風の会場を借り切りオリジナル結婚式を挙げるハウスウェディングが人気。中でも海外挙式に注力するベストブライダルは円高の効果もあって好調。
▶ 指標:受注件数=受注件数は、将来の売上・利益に結びつく数字
不況の影響を受けやすいIT業界。しかし、ゲームや電子機器のバグ(製品不具合) の要因の1つであるソフトウェアの不具合の存在の有無を製品化前に検証する「デバッグ」サービスの需要は高い。業務に適した能力を持つフリーターやニートを正社員として雇い入れ、さらに助成金も受給している。
▶ 指標:ROE(自己資本利益率)=自己資本に対する当期純利益の割合