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著しい不況の中、企業は進むべき方向すら見えないでいます。しかし、「視界ゼロ」でも迷わない方法があると『日経ベンチャー 2009.2号』(日経BP社)では語られています。 その方法とは、’経営者としての信念を曲げないこと’。自分を信じ、ぶれない姿勢を示すことで、社員は動き出す。そして、そんな信念の経営が、苦境を突破する力を磨くとしています。
今回は、同特集に紹介されている事例より、地元愛媛の企業の情報をお届けします。
本社 | :愛媛県今治市 |
設立 | :1969年 |
売上高 | :3億2000万円 (08年2月期) |
主な事業内容 | :タオル製造 |
社員 | :18人 |
会社はOEMと自社開発ブランドの製造を手がけていた。自社ブランドのタオルの開発という新事業の展開に期待を寄せていた矢先、年商の70%を依存していた卸売業者である取引先が倒産し、民事再生を申請。再建計画の選択肢は二つ。一つはOEM事業の継続で、一つは売上の1%でしかない自社ブランド”IKT”のオーガニックタオルの選択。
最終的に選択したのは自社ブランドへの経営資源集中だった。OEMを選択しなかったのは、今までの繰り返しとなって延命は出来るものの未来を開くことにはならないと判断したから。これに対し自社ブランドの選択は、お客さまの信頼を勝ち得たときに生まれる力の大きさを感じていたから。民事再生のニュースが発信された後、応援してくれるお客さまの力強さをさらに感じた。
衰退産業、地方企業、零細企業、民事再生という「四重苦」を支えてくれたのは、お客様でしかない。お客様に対してぶれない姿勢を続ければ、道は開けると思う。お客様の声に耳を傾け、ウソのない商品を作り続ければ、必ず伸びる。