仕事・勉強がはかどる脳を作る習慣

 仕事や勉強がうまくいかないのは、気分の問題ととらえがちです。ところが、脳科学者・茂木健一郎氏は、「脳」にその秘密があると言います。今回は『日経WOMAN 2009年2月号』より、’茂木健一郎さんが指南!仕事・勉強がはかどる脳を作る習慣’をご紹介します。


※効率的な脳を作る7つの習慣

 習慣1*タイムリミットを「1~2時間に」

  • 脳は苦しみを乗り越えたときに一番喜びを感じ、強化します。そのためにおすすめなのが、自分で仕事や勉強の時間制限をする方法です。脳は長いスパンで目標を覚えるようにできておらず、直近のスケジュールを優先させる傾向にあるので、作業するときは目標を一つに絞り、時間設定を1~2時間にしましょう。

 習慣2*手や口以外を動かし集中力をコントロール

  • 集中力が続かない場合は、椅子から立つなど、手や口以外の部位を動かして頭を切り替えましょう。集中とは無意識の行動ですが、人は無意識を操ることができません。無意識は運動系の回路と密接にかかわりがあるため、体を動かすことで間接的に無意識をコントロールし、集中力を高めるきっかけができます。

 習慣3*やり方を考える前に取り掛かる

  • 脳の働きには、五感を通じ得た情報を認知する『感覚系』と体を使い情報を出力する『運動系』があり、その2つをつなげるには、まず先に出力することが必要。企画書などは、頭で整理してから書こうとせず、形にならなくても、実際に手を動かして書き始めましょう。

 習慣4*日々の「ひらめき」を記録に残しておく

  • 脳には、いつ起こるか分からないひらめきをキャッチする回路が備わっています。ところが何か頭に思い浮かんだときにアクションを起こさないと、脳は『興味がないんだな』と弱体化します。今の仕事や勉強に関係なくても、ひらめいたことを記録して意識すると、いざというときに潜在的な創造性を発揮できます。

 習慣5*1~2分というすきま時間にやることを持つ

  • 細切れの時間でも、瞬間的に集中できるようになるためにおすすめなのが、1~2分程度のすきま時間にペンなどの道具を持ち書類を書いたり具体的に体を動かすこと。頭で考えるだけだと散漫になりがちですが、体の一部を動かすだけで集中力が高まります。徐々にわずかな時間でも、集中できるようになります。

 習慣6*脳の鮮度が高いうちに調べる道具を携帯

  • 効率的に記憶をするためには、分からない単語や用語など、疑問が起こった時点ですぐに調べること。『分からない』『知らない』という脳の反応の鮮度が高いうちに答えを与えることで、記憶が定着するのです。すぐに携帯電話で検索して調べたり、電子辞書をすぐに取り出すなど、ツールを活用しましょう。

 習慣7*朝に日記やブログをつけて記憶を整理

  • 脳が寝ている間に前日の体験を整理するため、朝起きたときには体験の意味がより熟成されているので、朝に日記やブログを書くといいでしょう。出力することで経験の意味をとらえ直すこともできます。ブログの場合、他人の目を意識するため、『もっといい本を読もう』など、いい背伸びのきっかけにもなります。