すぐ効く!ロジカルシンキング~問題解決力10倍アップ

 仕事をサクサクこなす人と、一つひとつの課題に立ち往生する人。それを分けるカギは「論理的思考」です。問題解決の方法を論理的に導き出すことが出来るかどうかで仕事の成果、効率は大きく変わると、『日経ビジネス アソシエ 2008.6.3号』で解説されています。
 同誌の特集記事『すぐ効く!ロジカルシンキング~問題解決力10倍アップ』では、以下の構成で論理的思考を身に付けるテクニックを紹介しています。また、論理的思考能力を問う目的で作成された採用試験の内容をご紹介します。

結論
 思考の「型」を知れば、仕事はずっと楽になる

 

基礎編

 論理的思考の「基本の基本」

(1) ロジックツリーで分析する
(2) 仮説思考で解決策を考える
(3) マトリックスで検証する

実践思考術編

(1) 強みと弱みを知る「SWOT分析」
(2) 「リターン」と「機会費用」で考える
(3) 実行力を増す「プロアクティブ思考
(4) 「フィンランド式」で頭を整理
(5) 発想力を高める「視点の転換思考」
(6) 目標を可視化する「数字思考」
(7) データを積み上げる「推定思考」

現場編

(1) ”プチプチ”に学ぶ「展開思考」
(2) ”黄金比率プリン”の「データ思考」
(3) ”am/pm”の「ゼロベース思考」

私の思考法

(1) 樋口泰行(マイクロソフト社長)

~現場で幅広く情報を収集し高い視点で決断を下す

(2) 梅沢由香里(女流棋聖)

~「仮説検証思考」と集中力で最善の一手を導き出す

(3) 為末大(プロ陸上400mハードル選手)

~常識を疑う思考法で驚きの発想を生み出す


Test 採用面接で出される問題に挑戦

米国の一流企業が求める”地頭力”マッキンゼー、ゴールドマン・サックス、マイクロソフト…。 入社が難しいと言われる米国企業が求める思考力とは? 3つの問題に挑戦して、自分の実力を試してみよう。

【問1】

現在の時刻が3時15分だとすると、時計の長針と短針の間の角度は何度か?

【問2】 目の前に9個のビー玉がある。このうち8個のビー玉は重さが同じだが、残り1個のビー玉はほんの少し軽い(ただし、手に持っただけでは分からない)。 あなたの手元にある天秤を使って、どのビー玉が軽いか判断するには、最低何回天秤を使わなければならないか?具体的な作業手順と併せて答えよ。

【問3】 大金持ちのあなたは1㎞四方の正方形の土地を購入した。この土地を自家用機が離着陸するための空港として利用したいと思っているが、自家用機の離着陸には 最低でも1.25㎞の滑走路が必要となる。幸いにも、あなたはこの土地のどんな場所でも10%の勾配(傾斜度)まで掘り下げることができるトラクターを 持っている。この時、自家用機が離着陸できる滑走路を作ることができるだろうか?

 

解答

【問1】

7.5度

投資銀行の採用面接でよく出題される。
『外資系企業がほしがる脳ミソ』の著者、キラン・スリニヴァス氏は「多くの人は自分の頭の回転の速さを面接官に印象づけようとして深く考えずに『0度』と答え、後で後悔する」と言う。
3時15分の時、長針は「3」を指している。しかし、短針は3時から15分経過しているので、その分「4」の方に動いている。時間を表す目盛りは「1」か ら「12」まで12個あるので、各数字間の角度は30度(360度÷12)。短針は4の方向に1/4時間分動いているので、正解は7.5度(30度÷4) となる。

【問2】

2回

この問題は、日本でもよく見かけ、実際に解いた経験がある人も多いはず。米国でも、法律事務所や投資銀行の採用面接で出題される定番の問題。問1と同様に じっくりと考えれば答えられるが、面接の場で、しかも具体的な作業手順と併せて答えよと言われると難しい。
解説のプロセスは左図の通り。ビー玉に1番から9番までの番号を割り振り、1回目の計量では1、2、3番と4、5、6番を天秤にかける。どちらかのグルー プが上に上がれば、グループのどれか1つが軽いと分かる。釣り合えば7、8、9番のどれか1つが軽いと分かる。天秤を2回使えば、答えを導ける。

【問3】

できる

戦略コンサルティング会社の面接でよく出題される。
コンサルタントは、膨大なリサーチ結果や情報から、重要なものとそうではないものを素早く見分ける能力が求められている。この問題はその能力を問う。
実は、問題文中のトラクターに関する記述は単なるひっかけであり、解答を導くこととは関係がない。
1km四方の土地の対角線の長さはピタゴラスの定理から約1.41(√2)㎞。対角線に沿ってコースを取れば、1.25kmの滑走路は簡単に作れる。