カリフォルニア州知事選の遊説先で観衆から卵をぶつけられた。とっさのひと言で悪意の攻撃をかわした。

　　「奴にはの貸しだ」

結果を出せない社員にはやめてもらうとの険悪な空気の中で

　「この状況を打開できなければ、我々は一生つづけなければなりませんので」

のっぺらぼうの女性に対しての慰めを言う場面で

　「んな、んな、気にするこたァないよ、んなもん、なくったっていいんだよ。サバサバしてていいじゃないか。ねえ？」

　「なまじんで苦労してる女、いくらでもある」

かたぎの生活に就かないことを、周囲からせめられている寅さんが、「奥さんによろしく」と言われ、

　「そういうは持ち合わせていません」

お相撲さんの頭に髷をのせている理由を聞かれ、

　「さあ、あれがないとからじゃないですか」

お月見を阻止しようと月に電話をしようとする。番号案内に「月の番号を教えろ」と言うが「わからない」と笑われる。さらに食い下がると頭がおかしいのではと言われた。そこで、

　「なに、わしがおかしい？！」

インタビュア－の「好みの女性は？」との質問にジョ－クで切り返して

　「の女」

アメリカ人の記者に「健康法は？」と聞かれて、教養人らしいウイットに富んだ答えを返し、

　「強いてあげれば、を食ってます」

弟子と入った定食屋で。高くてまずいこの店の亭主に色紙を書いて欲しいと頼まれて。

　「して食え」

石炭産業の衰退を背景に、炭鉱の多くは閉山され、多数の労働者が解雇された。経営者側との激しい団体交渉の末、やむを得ず合理化案をのみ、 苦しい胸中を語って、

　「も地獄、も地獄」

映画づくりのコツについて著書の中で書いたことば。凡人にはちょっと思いつかないそのコツとは、

　「天使のように、悪魔のように」

非常に美しいボクシングをする彼の華麗なフォ－ムを人々がたたえてこう言った。

　「のように舞い、のように刺す」

妊娠したときの感想を聞かれ、彼女らしい感性が光る答は。

　「で産みたい」

水泳・岩崎恭子（当時14歳）「今まで生きてきた中で」

マラソン・有森裕子　「はじめて自分で自分を」

柔道・篠原信一が審判の誤審で負けて「負けた」

ちなみに、これを聞いたフランス選手「ほ～ら、自分で弱いって認めた！」

映画『ブレ－ドランナ－』に関するコメント

　「決して絶対の一位ではないのですが、今でも眠れない夜とかにビデオを取り出して、部屋をと、ついつい浸ってしまいます」

壮大な失敗作と評される映画「地獄の黙示録」についてコメントを求められ（接続詞が入ります）

　「これほど不完全で矛盾だらけで、よく分からない映画も珍しい。
　 見るたびにこれほど’血が騒ぐ’映画も稀である。（略）
暴力的で美しい」

映画『カサブランカ』で彼が演じる賭博場のオ－ナ－女が話しかけた。それに答えて、

　「ゆうべどこにいたの？」　「そんなには覚えてないね」
　「今夜会ってくれる？」　「そんなにはわからない」

映画『燃えよドラゴン』で、弟子の少年に拳法の極意を言う。短いが哲学的で奥の深いそのことばは、

　「頭で、肌で！」

岡ひろみが、恋愛感情で心を乱された相手、藤堂を呼び出して、

「男なら愛し方はするな！それだけだ」

長くアカデミ－賞に縁のなかった彼が７５歳にしてアカデミ－賞を受賞して語った喜びのコメントは、

「４６年間の俳優生活の中でです。」

ヘンリ－・フォンダ同様、何度もノミネ－トされながら受賞をのがしてきた彼女が５０歳にして初めてオスカ－を手にして、

「思い切っていうけど、と思うわ」

芸術院会員への推薦を辞退して、

「だから、だ」

『ハンナとその姉妹』という映画でアカデミ－助演男優賞を受賞したときの気持ちを聞かれて、

　「この式を見ているプロデュ－サ－の諸君、賞をもらったからといって
　安心してくれ」

戦争中、ナチスの迫害から逃れてアメリカに亡命しようとした際、領事館の役人は「いい作品を書くんだよ」と言って、入国許可証を発行してくれた。これがなければドイツに強制送還されるところだったという経歴を持つ彼がアカデミ－賞を受賞して、

「それ以来、私はいい作品を書くように努力してきた。あののおかげでいまの私がいる。彼に感謝したい」