教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置

 平成25年税制改正大綱の目玉の一つに『教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置』があります。近年、資産家が懐に蓄えているお金を引き出して若い人に持たせて使わせようという施策が実行されていますが、これもその一つと言えそうです。

 そもそも、相続税法の規定で「扶養義務者相互感において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」には贈与税を課さないと定められています。従って、例えば祖父母が県外の大学に通学している孫の生活費や学費を援助しても、それを受け取る孫に贈与税は課されません。但しそれには条件があって、「必要となる度」に支払う必要があるのです。生活費に充てるため毎月10万円ずつ、

学費支払いの際には150万円という支払なら非課税ですが、一度に1年分270万円あげたら課税されることとなっています。

 ところが、今回の大綱では『教育資金の一括贈与1,500万円には贈与税を課さない』とされているので、一度にまとめて贈与してもOKです。もっとも、教育資金以外の用途に使うことがないよう金融機関等において信託形式で管理され、税務署への諸手続きが必要となる見通しです。