消費税軽減税率導入に関する動向

 消費税が10%になるタイミングで複数税率を導入するとして与党税制協議会が具体的検討に入ったとしています。「国民の理解を得た上で」との前提ですが、日本税理士連合会では反対の立場を取っていて、少なくとも「税理士の理解」は得られていません。

 現在、与党税協では消費税軽減税率制度検討委員会を立ち上げ、軽減税率の「対象品目」「区分経理の方法」「安定財源」等の論点から消費税の複数税率の検討を進め、秋口には具体的な制度案を作成して与党税制協議会に提案することとしています。

 但し、委員会においても複数税率とした場合の対象品目設定の困難さ、事業者の事務負担の増加、高所得者にも軽減税率の恩恵が及ぶことは政策目的になじまないという課題等々が指摘されていて、今後の動向は不透明と言えます。

 事業所や我々税理士にとって軽減税率適用による事務量の増加は歓迎されるものではなく、また処理の複雑化は徴収コストに結びつくものでもあります。低所得者対策が目的と言うなら、他の方法を検討していただきたいものです。