マイナンバー導入に伴うソフトウェアのバージョンアップ費用

 いよいよマイナンバー制度の運用開始日まで半月となりました。新制度に対応するため既存のコンピュータソフトウェアをバージョンアップする必要がある事業所も多いことと思いますが、その費用は税務上どのように扱えばよいのでしょう。税額を費用として計上できるのでしょうか?あるいは資産に計上して減価償却を行うのでしょうか?

少額の場合はいずれにしても全額を費用として計上できますが、社員数が多い事業所などでは多額の負担となり、処理方法に迷うところです。

 

*基本的な考え方は次のとおりです。

1.既に持っているソフトウェアのプログラムの修理等を行った場合、その修理等がプログラムの機能上の障害の除去、現状の効用の維持等に該当するときはその修理等に要した費用は修繕費に該当する⇒全額費用に計上可

2.新たな機能の追加、機能の向上等に該当する⇒資本的支出に該当し、減価償却の対象

*マイナンバーに係るバージョンアップの場合

 マイナンバー制度における番号法では法人に対して「安全管理措置義務」を課していて、この措置を講じない場合は安全管理措置義務違反に該当することになります。このため、既存のソフトウェアをマイナンバー制度に対応させるためのソフトウェアに切り替えるための支出は既存のソフトウェアの効用を維持するための修繕費に該当し、全額費用に計上することができるものと考えられます。