人を動かす話し方

 人に話をし、納得させて動かすには、自分が思ったことをはっきり話すだけでは足りず、話す前の「準備」と「言語以外(ノンバーバル)の活用」という新たな視点を加えてみるべき。そうすることでコミュニケーション能力は一気に向上すると『日経ビジネス アソシエ2008年5月6日号』で解説されています。

 本特集は6つの講座で構成されていて、内容は次の通りです。

講座1 「話す」行為の本質を知る
講座2 カギは「準備」にあり!
講座3 目や表情で会話する法
講義4 一流の話し手の技を盗む
講義5 トップセールスパーソンの話術
講義6 「話の達人」インタビュー

 今回は’講座2 カギは「準備」にあり!’から、人を動かす話し方をするためのトレーニングをご紹介します。


1.白石憲二(パワフルヴォイス、ヴォイスワークス社長)

※ポイント※

伝えるためには「声」が重要

※聞き取りやすい声で話す。それだけで聞き手から信頼される。話の内容よりもまず、最初に相手に届く声を磨くべきである。

※トレーニング※

伝えるためには「声」が重要

声を磨く3分間トレーニング

(1) 腹式呼吸

(2) 複式発声

(3) 複式発声・滑舌トレーニング

アアアアアアアアア
アエイウエオアオ
ナネニヌネノナノ
ハヘヒフヘホハホ
イウエオ イウアオ イウエオ イウアオ
キクケコ キクカコ キクケコ キクカコ
シスセソ シスサソ シスセソ シスサソ
リヌレノ リヌラノ リヌレノ リヌラノ

 

2. 飯島晶子(朗読家)

※ポイント※

聞き手を引き込む演出を

*作った資料をただ読むだけではもったいない。心をつかみ、印象に残る話し方のポイントを学び、演出力を高めよう。

※トレーニング※

滑舌を良くする母音・子音練習法

(イ) 一生懸命一途に祈る
(ウ) 海辺で腕枕でうたたね
(オ) 男が老いた甥を追う
(ケ) 経済企画庁長官と経営者の関係
(ス) すすけたステンドグラスの煤払い
(ソ) 祖父と祖母が掃除の相談
(タ) たこ焼き凧揚げたこ入道
(ネ) ネットワークの構築で眠れぬ熱帯夜
(ヒ) 避暑地で秘密のひとときを
(マ) 魔性の女と真面目な魔女
(ミ) 魅力的な弥勅菩薩
(ム) 無垢で無口な青年に夢中
(メ) 迷宮で女神にめぐりあう
(モ) 桃色の盛り皿に桃を盛る
(ヤ) やはり季節は約束を破らない
(ユ) ゆらゆら揺れるゆりかごの歌
(ヨ) 陽気な妖精と妖艶な妖怪

 

3. 新田祥子(コミュニケーションカウンセラー)

※ポイント※

 あがらないための手立てを知ろう

*話をする以前にあがってしまって話せなくなる人は少なくない。あがり症の仕組みを理解し、周到な準備で根本原因を解消しよう。

※トレーニング※  「あがり症」とは、度重なるあがりが原因で予期不安を強く感じるようになり、あがることが習慣になった状態。場数や練習で克服するのは難しく、専門家の適切な指導が必要。
 自分の話が論理的でないため何を言っているかわからない。そんな自分にますます上がるという状態を克服するためには論理的な思考を身につけるのが必要。

 

4.田中省三(プレゼンテーション専門コンサルタント)

※ポイント※

プレゼンを成功に導く準備とは

*プレゼンで集中して話を聞いてもらえない。原因は準備にある。どんな準備をすればよいのか、専門家が伝授

※トレーニング※

プレゼン成功のための5箇条

(1) 誰が伝えるのか?
     ※自己紹介をしっかりする

(2) 誰に伝えるのか?
     ※一番伝えたいターゲットは誰か

(3) 何のために伝えるのか?
     ※意図・目的をはっきりさせよう
     ※何を達成したいのかを明確に

(4) 何を伝えるのか?
     ※内容の優先準備を決める
     ※聞き手が聞きたいことを伝える