金持ち家族、貧乏家族

 『PRESIDENT 2012.7.2号』(プレジデント社)の特集記事のタイトルは”見えた!「30年安心」家計の秘密 金持ち家族、貧乏家族”です。本稿では、①税金・社会保障 ②住宅ローン ③教育 ④仕事 ⑤介護 の各項目別に「一生ハッピー VS 破綻」の分かれ目となる隠れた地雷が何かを紹介しています。不透明感極まりないこの世を生きていく私たち、知らずに地雷を踏んでしまわないよう、気をつけましょう。


地雷1.税金・社会保障 ~ 「給料天引きしたら残り五割」の現実

 本来、老後の生活や健康を守るためのセーフティネットであるはずの社会保障サービスを受けるために毎月社会保障費を支払っているが、これが「地雷」に化ける可能性がある。支給時期が先延ばしされるのを覚悟した方が良い。

 年収が多くても貯蓄できていない人は案外多く、その人が定年後年金支給までに退職金を使い果たしてしまうと、老後の生活が成り立たなくなる。

地雷2.住宅ローン ~ 「家買って妻退職」は地獄ロードの始まり

 首都圏の平均的な家庭では住居費関連の支出が年収の三割に達している。もし家を買って妻が仕事を辞めたら家計は崩壊する。でも、共働きを前提に住居費を削減できれば余裕のある生活を送ることができる。

 それを実現するのが「実家での親との同居」。新築するにしても土地代が不要。ただ、その場合重要なのは「玄関と水回りを分ける」こと。一定の距離を保っていないとトラブルの元になるし、賃貸に回すことも可能になる。

地雷3.教育 ~ 中学受験すると大学進学費用が残らない

 よい大学に入れるために中学受験させたつもりが、コストがかかりすぎて大学進学費用が出せないという悲惨な状況を招く可能性がある。無理に私立に進学させるより家計に余裕を持って旅行や外食により円満な家庭を維持した方が子供の勉強意欲は高まる。

 また最近の公立はそれほど荒れてなく、全体的にレベルが上がっている。

地雷4.仕事 ~ 四十代「パラサイト社員の悲惨な末路」

 年金支給開始が65歳に引き上げられたことに伴い、希望者全員が65歳まで働けるという法案が提出された。だが、定年の引き上げは若い人の金と職を奪うと指摘されている。退職年齢の人たちが生産性に見合った給料でなく年功序列型賃金制度下で受給すると若い人への支給が削減される。

 一方、人事部は会社に寄生するだけのパラサイト人事は不要と考えている。40代社員に求められるのは、『管理能力』だ。

地雷5.介護 ~ 激増する「看病離職 → 家庭崩壊」パターン

 親が要介護になったときの費用を心配する人が多いが、それが地雷化するケースは少ない。親の方がお金を持っているし、年金も出る。

 親の介護のために妻が仕事を辞めて介護するとなると収入も減るし、自分が犠牲になったことで不満も増え、衝突して離婚という心配もある。