無借金企業への道

 ヘルメット製造販売の大手㈱SHOEIの山田勝会長は、同社の前身である昭栄化工が会社更生法の適用を申請した際、三菱商事から管財人として送り込まれて再建の指揮を執ったのち社長に就任したという経歴があります。今回は『日経TOP LEADER 2009年10月号』から無借金経営を目指す山田勝氏が策定に関わった’SHOEIの行動指針’を要約してご紹介します。

 昭栄化工の倒産原因は経営者の公私混同が大きな要因だったことから、経営者が会社を強くするため何をすべきかという点に重点が置かれ作成されているようです。


【SHIEIの行動指針】

1.

社会の人々や役職員の基本的人権を尊重し、事業活動において性・年齢・出身地・国籍・人種・進譲・宗教・障害・親兄弟親族の経歴等による差別を一切行わない。

2.

法令及び企業倫理を遵守し、事業活動を公正かつ誠実に行う。

3.

高品質で安全な製品およびサービスを提供するとともに、顧客に対して正しい商品情報を提供する。常に顧客志向の事業活動を行うことによって、顧客満足度の一層の向上に努力する。

4.

販売及び購買の両面において、公正な市場競争の原理を尊重し遵守するとともに、節度を越えた接待及び贈答の授受はこれを行わない。

5.

反社会的勢力ちは断固対決するものとし、違法または不当な請求には一切応じない。

リスクの高い資産(営業関連外国為替先物取引を除く)

6.

財務報告の信頼性を確保するための内部統制制度の整備に注力する。また、経営成績および財務状況ならびに企業内容に関して、適時適切な情報の開示を行う。

7.

インサイダー取引を疑われる株式売買は一切これを禁止する。

8.

有形及び無形の会社財産を保全管理すると同時に、当社の事業活動が他人の財産の侵害にならないよう充分な注意を払う。

9.

健全で楽しく働きがいのある職場環境の保持に努めるとともに、パワーハラスメントおよびセクシャルハラスメントは一切これを禁止する。また、役職員間の業務上の立場と業務外での関係を峻別させ、公私の区分を明確にする。

10. 次の資産を保有しない。
  (1)本社建物、役員専用車等当社業務向上に直接には寄与しない資産
  (2)株式、商品先物、デリバティブ等元本割れ