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『PRESIDENT 2009.7.13号』(プレジデント社)の特集は、‘考える技術 ~ なぜ当たり前のことしか浮かばないか!’です。 経営者にとっても、社員にとっても、成功への一歩は「考える」ことから。歩き出した後も、常に「考える」ことが必要です。的を外さず、しかも独創的に考える技術はどのようにしたら身に付けることが出来るのでしょう?
今回は本特集より、『バカな脳がピンとくる脳に変わる』技術(茂木健一郎)をご紹介します。
「創造性」を生み出すのに適した作業は「隠喩」つまり、メタファーである。(隠喩;比喩法の一つで、そのものの特徴を直接他のもので表現する方法。「花のかんばせ」「金は力なり」)欧米人は「メタファー」を多用するが、日本人はなじみが薄い。
一見関係なさそうなものを結び付ける「メタファー」という「想像力」の先に、おそらく「創造性」の秘密が隠されている。
「メタファー」力を鍛えるためには、日常的に様々な連想を働かせることが大切だが、その次の段階にくるのが「思考実験」。思考実験とは、思考のみによって仮説を立てて論証していくこと。その方がときに物事の本質をしっかりつかめることもある。「思考実験」の先にまったく新しいサービスや商品が現われるかも知れない。
アイデアを創出する際、自分の中で熟成する前に、他人に話してみるのが「トーク・スルー」。会社のプレゼンなどでは事前に綿密な資料を作成して話す順番も決めておくが、新たなアイデアを創出したいときは「トーク・スルー」のアプローチのほうが、より効果的な結果を生み出す。使途に話す過程で、脳内に詰まった情報が浮上したり、相手からの質問で新しい発想に誘導されることがあるというメリットがある。
残念ながら、日本における教育で習得できないのが「how to argue(議論の仕方)」
ビジネスの場における具体的な「議論の仕方」のポイントは、「集中的思考と拡散的思考」。理想的なのは、提案者がわからないような議論の立て方をしてどんどん意見を出し合う。議論は飛躍して広がるだけ広がる。その後、収束に向けて話を引き戻す過程で拡散前と収束後の中間地点に新しいアイデアの切り口が広がる。
「創造性」を考える上でもっとも重要なのは「セレンディピティ」つまり「幸運に出合う能力」。ビジネスにおいて「セレンディピティ」に辿り着くには、「八割二割の法則」を定着させること。本業に八割の時間を傾け、二割は自分の興味のある課題に取り組むというのがその内容。その二割の自由から生み出される「創造性」もある。