銀行に見限られる会社の5つの共通点

 2006年の全国の倒産件数は9,351件でした。2007年は10,959件に増え、2008年には13,000件に増えるだろうと予想されています。サブプライムローン問題に端を発し、瞬く間に世界を駆け巡った不況の波は、銀行の貸し渋り・貸し剥がしを激化させています。昨今の銀行の見切りは圧倒的に早く、貸付額の大きさや取引歴の長さに関係なく些細と思えるような悪材料をきっかけに融資を引き上げています。そして当然に企業は倒産の危機にさらされます。
 今回は『日経ベンチャー 2008.12号』(日経BP社発行)より、’破綻の真相 銀行に見限られる会社の5つの共通点’をご紹介します。


1.借金で新規投資

  • 好況時に借入金を増やし、新規事業への投資や経営多角化を進めた会社は身切られやすい。金融情勢の悪化を境に追加融資や借り換えが出来なくなっている。
     急ピッチで新規出店した「びっくり本舗」や新規進出した健康食品事業が不振だった「フロンテック」などが代表。

2.過去に信用失墜

  • 貸し渋りの直撃を受けている不動産業界でいち早く消えたのが「過去に信用失墜」した企業。
     05社長が覚せい剤取締法違反で逮捕された「ダイナシティ」や、暴力団を使った入札妨害を行った「勝村建設」などがこのタイプ

3.不透明な会計

  • 粉飾決算などの不透明な会計処理の発覚も見限られるパターンの一つ。これが倒産の原因になるばかりか倒産後の再建にも響く。民事再生で再建しようにも粉飾のため経営の実態がつかめず、銀行やスポンサーが敬遠するのがその理由。
     不透明な会計が理由で倒産した「コストデザイン」や「ヤマト樹脂工学」は、民事再生の道は選べず自己破産している。

4.法律違反

  • コンプライアンス違反に対する世間の目はますます厳しくなっている。自らも厳しい状況にある金融機関に不祥事を大目に見る余裕はない。
     金融商品取引法違反等の疑いで強制調査を受けた「プロデュース」、事故米転売の「浅井」、賞味期限表示ミスの「冨士製餡工業」などが代表例。

5.経営陣の”不協和音”

  • 金銭トラブル等、経営陣の不協和音も大きなマイナス要素。
     「松本引越センター」は創業者が取締役会の承認を経ず巨額の手形を関連会社に裏書きさせたり、前社長が社内で自殺するなどの事件があり、民事再生申請から1月未満に自己破産。